お仕事での見える化とは?!目的が分からない?!初心者向け?!まずは自分のお仕事を見える化?!
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はじめに
多くの企業で「見える化」がおこなわれています。
さまざまな情報が「見えている」ならば、「見える化」は必要ありません。
しかし、大きな企業になればなるほど、例えば「何にお金がかかっているのか?」「どこにお金をかけるべきか?」などが見えづらくなります。
そして、「見えない」ということは「分からない」ことを意味しています。
よって、「見える化」とは「分からないことを知る為の行動」になります。
今回は「見える化」について触れたいと思います。
「見える化」によって得られる情報は、「企業が所有している資源を有効に活用する為の判断材料や行動の根拠」に利用されます。
とはいえ、「見える化の経験がない人」は、いきなり職場で「見える化してください」と言われても困ります。
この為、まずは「自分のお仕事の見える化」で慣れるようにしてください。
そして、その過程で「見える化の目的」や「見える化の考え方や方法」などを身につけて頂きたいと思います。
見える化とは
そもそも「見える化とはなにか?」になります。
「見える化」とは「可視化」とも言われます。
一般的に「見える化」とは「実態を具体化し客観的に捉えられるようにする」ことです。
何もしないと「単なる出来事」「単なる数字」なのですが、「それらを意識する為の行為」になります。
これにより、「何を意味しているのか?」「何が起きているのか?」などの「状況把握」がおこなえます。
また、「規則性や関係性を認識する」ことにより、「別の発想」が生まれることがあります。
そして、これらの情報が「判断や行動の根拠」になります。
例えば、「商品Aより商品Bが売れている」なら、「商品Bの販売に力をいれるべき」と判断して行動できます。
「北海道で作る」より、「沖縄で作るほうが安い」のであれば、「沖縄で作るべき」と判断して行動できます。
「夏」よりも「冬」のほうが「作業の効率が良い」のであれば、「夏は休みを多くする」「冬に集中して作業する」と判断して行動できます。
実際には、もう少し複雑な分析がおこなわれますが「分かりづらい情報を分かり易く表現する」ことに変わりありません。
そして、常に「見える化を意識する」ことにより、「根拠のある情報同士を付き合わせて表現する」ことができます。
「見える化」には「関連図」であったり、「グラフ」であったり、さまざまな表現方法がありますが、一つだけ「お約束」があります。
それは「分かりやすいこと」です。
ただ見ただけで、「何を意味しているのか?」「何が起きているのか?」を「すぐに理解できる情報であること」が理想になります。
これは「早く理解する」ことで、「早く判断し行動することが可能になる」為です。
見える化に慣れる為に
「見える化に慣れる為に」は実際に自分でやってみることが重要になります。
しかし、慣れていない時は「何を見える化して良いのか分からない」という状態です。
このような場合は、「自分のお仕事の見える化」で、「見える化の練習」をおこなうようにしてください。
「自分のお仕事の見える化の流れ」をご紹介します。
自分のお仕事の見える化
はじめに「自分が担当しているお仕事の一覧」を作成します。
これは「指示されているお仕事」も「指示されていないお仕事」も含めて「全てのお仕事」になります。
本来、「指示されていないお仕事をおこなうことは問題」です。
しかし、こういったお仕事が見つかる点も「見える化のメリット」になります。
よって、あくまでも「実態の一覧」を作成してください。
一覧の記載内容は「作業名」「発生のタイミング(サイクル)」が基本になります。
お仕事の予定と実績の見える化
「自分が担当しているお仕事の一覧」をもとに「スケジュール表」を作ります。
「自分が担当しているお仕事の一覧」の横に日付を作り、作業予定日に「○などのマークや予定作業時間などの情報を入力」「背景色の変更」などをおこなうのが、一般的です。
「スケジュール表」は、本来「作業をおこなう予定日の情報」として作りますが、ここでは「実績の情報」も記入します。
この「実績の情報の記入」により、「予定ではここまで終了しているはず」ですが、「実際はここまで終了している」など、「現状の把握」がおこなえます。
「現状の把握」により、「次の作業への影響」を一目で理解することができます。
また、「作業の優先順位の変更が発生」した時、「作業の順番を変更する」ことがあります。
この時も「スケジュール表」を利用する事ができるので、「言葉による作業の状況説明」など、「無駄な会話が必要なくなる」ので「効率的」になります。
なお、この「スケジュール表」の形は、「WBS(Work Breakdown Structure):作業分解構成図」にも利用することができます。
自分の分析
「作業Aにはこれだけの時間が掛かった」「作業Bにはこれだけの時間が掛かった」など、「見える化」をおこなうことにより「お仕事にかかった時間の把握」ができます。
これらの情報を利用することにより、「自分が得意なお仕事」と「自分が不得意なお仕事」の把握ができます。
ちなみに、これは数字であらわされる為、「自分の好み」に影響されません。
例えば、「計算が苦手」「文章を書くのは好き」と自分では考えていたとしても、「計算のお仕事の方が短い時間で終わる」場合があります。
もちろん、「精度の問題」はありますが、お仕事として完了しているので無視できる物とします。
この結果から、じつは「計算の能力は自分が思っているほど低くない」ということが分かります。
このように、「収集した情報を整理、分類、評価して、性質や関係性を明らかにする」ことを「分析」といいます。
「見える化により得られた情報を分析する」ことで、「自分の本質が見えるようになる」こともあります。
視点に「朝昼晩」のような「時間帯の要素」を取り入れる事により、「効率的にお仕事がおこなえる時間帯」なども知る事ができます。
成果の分析
「成果」とは、「どれだけ、会社に貢献できたか?」になります。
「貢献」とは、「力を駆使して役にたつ」という事です。
例えば、「売上」「費用の削減」などは、「会社への貢献の代表的なキーワード」になります。
そして、これらは「お金ではかれる」ので、「利用しやすい情報」になります。
しかし、事務などのお仕事をしていると、「お金ではかること」は困難です。
それでは、「お金ではかれない貢献を知るには、どのようにすれば良いのか?」になります。
答えは「お金ではない別の数値情報の利用」になります。
例えば「時間」です。
「自分のお仕事の見える化」により、「作業時間の把握」をしています。
そして、「作業時間が減る」ことを「効率化」とします。
この「効率化」は「手順の見直し」「ツールの導入」など、なんでも構いません。
これらの「効率化により短縮されたお仕事の時間」が「効率化の指標」になります。
「ある単位(例えば1ヶ月)でどれだけ短縮できたか?」を1年ほどの期間で情報を収集します。
この情報により「お仕事の時間の短縮がおこなえた」場合、「会社に貢献できた」ことになり、これが「成果」になります。
「本来なら表現しずらい事柄」でも「見える化」と「分析の工夫」により、「認識しやすい情報」にすることが可能になります。
以上、「自分のお仕事の見える化の流れ」になります
「見える化」により、「見えないものを見つける」ことができます。
それを「自分の為に活かせること」をつねに意識するようにしてください。
「見える化を身につける」時、「自分の得になることを探す」「その為の情報を収集する」「さまざまな視点で分析する」、これらのことを常に意識して繰り返しおこなうようにしてください。
simacatより一言
「見える化の分析の注意点」になります。
「分析をする対象」「比較をする対象」を誤らないようにしてください。
これを間違えると「認識が誤る」ことになります。
例えば、「価格が安く冬だけ1200万個売れている季節物の商品A」と「価格は非常に高く季節に関係なく年間12個だけ売れる商品B」があります。
「総売上額が同じ」時、「販売数」だけをグラフで表現すると「商品Bの線は下を這いずった状態」になります。
「商品A」も「商品B」も大事にしたい商品ですが、「販売数」だけで見てしまうと「商品B」は早々に切り捨てられることになります。
しかし、そもそも「商品A」と「商品B」は価格帯からして「販売数で比較してはいけない商品」になります。
「分析に用いる情報」はしっかりと吟味し、「正確な視点で分析する」必要があります。
ちなみに、このケースは「販売数」ではなく「利益率」にすると、見えてくる情報が変わります。
「利益率」とは「売上に対する利益の割合」で、「利益率が高いほど儲けが大きい」ことになります。
ここでの説明は省略しますが、「利益率」には「売上高総利益率」「売上高営業利益率」「売上高経常利益率」「売上高税引前当期純利益率」「売上高当期純利益率」があります。
それでは、「販売数」だけでは切り捨てられる可能性の高い、「商品B」についてになります。
「商品B」は確かに単価が高く、確実に売れる商品です。
しかし、この「利益率が低い」場合、「会社に儲けがあるのか?」という点で「疑問」が生まれます。
この「疑問が生まれる」ことが問題定義となり、検討事項となり、新しい施策の実施につながっていきます。
これが「見える化の恩恵」です。
「見える化」により、「偏りのない実態」を知ることができます。
「偏りのない実態の情報同士を付き合わせる」ことで、「改善すべき点」を明らかにすることができます。
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