お仕事では常にリスクを想定する?!洗い出しと回避策・対応策の検討?!それがリスクヘッジです?!
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はじめに
会社に出社する時、「電車に乗り遅れたらどうしよう?」などと考えます。
お仕事をしている時、「あのメールを返信しておかないと大変な事になる」などと考えます。
このように「普段から色々と気になる事」があります。
そして「なぜ、気になるのか?」、大抵の場合は理由があります。
例えば、「誰かに迷惑をかけるから」とか「怒られてしまうから」などです。
「誰かに迷惑をかける」「怒られてしまう」、これらの事が「自分にとってのリスク」となります。
その為に、「電車に乗り遅れないように走る」、「最優先でメールを返信する」といった行動をします。
今回は「お仕事でのリスク」について触れたいと思います。
「普段から色々と気になる事がある」という人がいます。
このような人を「繊細」だとか「神経質」だとか言われる事があります。
しかし、「リスク」を考える時、「何も気にならない方がおかしい」と考えてください。
「普段から色々と気になる事」がないと、「リスクに気づく事」もできなくなります。
リスクとは
「リスク」とは、「危険」や「想定したようにできない事」です。
お仕事では常にさまざまな場面に「リスク」が存在します。
参考までに、お仕事で発生する可能性のある、「一般的なリスクとその分類」を挙げます。
安全リスク
「事故や怪我へのリスク」、「作業環境での危険性」、「使用する機械や道具の不適切な使用」など。
健康リスク
「ストレスや過労による健康被害」、「職場の健康環境の不良」、「有害な物質や化学物質の露出」など。
経済的リスク
「資金不足や財政的な問題」、「経済の変動による業績低下」、「競合他社の台頭による影響」など。
法的リスク
「法令違反やコンプライアンスの問題」、「不正行為や詐欺のリスク」、「契約違反による法的な訴訟」など。
技術的リスク
「システムやソフトウェアの障害や不具合」、「技術の進化に対する追いつけないリスク」、「サイバーセキュリティの脅威」など。
人的リスク
「人事トラブルや労働問題」、「従業員のスキルやモチベーションの不足」、「チームのコミュニケーションの課題」など。
環境リスク
「天候や自然災害による被害」、「サプライチェーンの中断」、「環境への影響に関する法的な規制」など
市場リスク
「需要の変動による売上低下」、「競合他社の市場シェアの増加、」、「新製品やサービスの受け入れの不確実性」など
以上、「お仕事で発生する一般的なリスクの分類」となります
これらの「リスク」は、企業や業界により異なりますが、おおよそ、これらの事柄や分類が発生する可能性があります。
「リスクについて考える時の視点」として利用して頂きたいと思います。
そして、この「リスク」に対して「意識する事」として、「危険度(重要度)」と「優先度」があります。
危険度(重要度)
「リスク」には「危険度(重要度)」と言う視点があります。
「危険度」が大きい程、「受けるダメージが大きい」事となります。
お仕事での「ダメージ」とは「損害」です。
これは「自分」「所属部署」「会社」「顧客」の「どれか一つでも損害を受ける」ならば、「ダメージ」となります。
そして「受けるダメージの大きさ」は、あらかじめ「危険度」として決めておく必要があります。
この「危険度」が「リスクの大きさをあらわす基準」となる為です。
「危険度が高い」とは「受けるダメージが大きい」、「危険度が低い」とは「受けるダメージが小さい」事となります。
例えば、出勤時に電車に乗り遅れる事を「危険度1」、電車と接触事故を起こしてしまう事を「危険度10」とします。
「危険度1」は「次の電車に乗れば出勤は可能」ですが、「危険度10」は「出勤する事は不可能」と言った定義となります。
そして、「危険度」を考える時、忘れてはいけないのが「リスクが影響する範囲」となります。
たとえば「受けるダメージが小さい」場合でも、「影響する範囲が広い」時があります。
「影響する範囲が広い」という事は、「他の誰かの作業も止まってしまう可能性がある」という事です。
当然、「作業が止まる」という事は、「止まっている間は損害」と考えられます。
よって、「危険度」とは「自分」だけではなく、「自分以外の考慮」も必要となります。
お仕事では、「リスク」を探して「リスクの一覧表」を作成しておくと分かりやすくなります。
これには「関係者を含めて、思い付く限り書き出す事」が必要です。
そして、「リスクの一覧表」に対して「危険度」という重み付けをしていきます。
ちなみに「受けるダメージがない」場合、これは「リスク」になりません。
これは「失敗をしても」「問題をおこしても」、「損害がない」という事となります。
お仕事は「失敗しないように」、「問題がおきないように」と考えて作業します。
しかし、「失敗しても」「問題をおこしても」、「受けるダメージがない」場合、これは「失敗でも問題でもない」と考える事ができます。
優先度
「優先度」は発生した「リスクに対する対処の順番」となります。
例えば、「お仕事で受信したメールについて返信する」という作業があります。
「急いで返信する必要がある」場合、「優先度」は高くなります。
「来週でも良い」場合、「優先度」は低くなります。
「優先度」は「対処する順番」ではあるのですが、「来週という期日がある」事には変わりありません。
よって、この「期日」が近づくにつれて、「優先度」は高くなっていきます。
このように「時間軸」も意識をする必要があります。
「優先度」が低くても「発生したリスク」です。
放置していると問題となり、「大きなダメージとなる可能性がある」為、注意が必要となります。
そして、この「優先度」も「リスクの一覧表」に記載する事により、「複数のリスクの同時発生」の時に対応する順番の目安となります。
以上、「リスクに対して意識する事」となります
「リスクの一覧表」を作成し、「危険度(重要度)」と「優先度」を加える事で「受けるダメージの予測」と「早期対応」をおこなう事ができます。
リスクへの備え
「リスク」はいつ発生するのか分かりません。
よって、何時でも対応ができるように「備える」必要があります。
この「備え」を「リスクヘッジ」と言います。
「リスクヘッジ」により、「リスクの回避」「リスクの早期対応」が可能となります。
「リスクに対する一般的な備え」を挙げます。
リスクの把握
「リスクの把握」とは「存在するリスク」や「発生する可能性があるリスク」をあらかじめ認識しておく事となります。
「把握しているリスク」が多ければ多いほど、「回避策」や「対応策」を検討する事ができます。
「どのリスクから回避策や対応策を検討するのか?」については、「危険度(重要度)」と「優先度」と「発生頻度」を組み合わせて決めます。
「発生頻度」とは「そのリスクが発生するタイミング」となります。
「毎日、発生する可能性があるリスク」であれば、「優先的に検討する」必要がありますし、「10年に一度、発生する可能性があるリスク」は「後回しにする」などとなります。
ただし、仮に後回しにする場合、「忘れ去られると言うリスク」があります。
よって「忘れ去られる事がないような工夫」をする必要があります。
回避策
「リスク」が発生する事を前提にしていましたが、「リスク」を回避できるなら、それに越した事はありません。
これが「リスクの回避策」となります。
例えば通勤時に「遅延ばかりする電車」から「遅延が少ない電車」にする事により「リスクの回避」をおこなう事ができます。
「リスクの回避」とは「原因を根本的に排除していく動き」です。
ただし、「原因を根本的に排除していく動き」をする事により、「新しいリスクの発生の可能性もあります。
よって、「リスクの回避策」についても「リスクの洗い出し」をおこなう必要があります。
対応策
「リスク」は発生しなければ良いのですが、「どのように回避しても発生してしまう物」と考えるべきです。
よって、「リスクに対する対応策」をあらかじめ検討しておく必要があります。
「リスクに対する対応策」があれば、「リスクの早期解決」が可能となります。
この対応策については、作成した「リスクの一覧表」に記載し、いつでも確認できるようにしておく必要があります。
定期的な見直し
「リスク」「回避策」「対応策」については「定期的に見直し」をおこなう必要があります。
理由は、お仕事をおこなう上で「永遠に同じ状態はあり得ない」為となります。
新しい仕組みを導入する事で、今まで起きなかった事が発生するかも知れません。
そして、この「定期的な見直し」をおこなう為にも「リスクの一覧表」が必要となります。
最低でも年に1回は見直しをおこなうようにしてください。
以上、「リスクに対する一般的な備え」となります
「リスク」は身の回りに沢山ありますので、細かい事まで気にしていたら気が遠くなります。
よって、「危険度(重要度)が低い物」はある程度、無視する事も検討するべきです。
なるべく多くの人の意見を聞いて、「危険度(重要度)」や「優先度」を考慮して取捨選択をおこなうようにしてください。
simacatより一言
ここまでお読み頂いて「リスクの意味」について「違和感」を感じた人がいるかも知れません
「リスクとは、危険や想定したようにできない事です」と前述いたしました。
しかし、「リスク」を考えた時、「ダメージ」や「損害」という理解のほうが整理しやすくなります。
「言葉の意味」については利用場面に応じて、柔軟に考えて頂きたいと思います。
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