生活残業とは?!必要な理由とは?!ズルい?!の会社を危険にさらしている自覚を持つべき?!
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はじめに
「生活残業をしている人」を見かけた事はないでしょうか?
簡単に言うと「職場にずっと居る人」です。
本当に「朝から晩まで」、いつもいます。
今回は「生活残業」について触れたいと思います。
「残業についての理解」と「生活残業の影響」について、参考にして頂きたいと思います。
生活残業とは
「生活残業」とは、「生活する為に意図的におこなわれる残業」となります。
その前に「残業とはなにか?」となります。
「残業」とは「企業が定めた労働時間を超えて労働をする事」で「時間外労働」とも言います。
「企業が定めた」としていますが、「労働時間」は「労働基準法」で定められています。
これを「法定労働時間」と言います。
この「法定労働時間」に準ずる形で、「企業の労働時間」は定められています。
ちなみに、「法定労働時間」は「1日8時間、週40時間」となります(2024年3月現在)。
さらに「法律で定められた休日」があり、これは「毎週少なくとも1回」となります。
そして、この「企業が定めた労働時間」を超える労働が「残業(または、休日残業)」になります。
しかし、「残業」は「無制限」におこなう事はできません。
詳細は省きますが、「36(サブロク)協定」や「労働基準監督署への届出」などをおこなう必要があります。
よって、「残業は安易におこなえる物ではない事」となります
とはいえ、「残業」という物は存在しています。
これには「理由」があります。
お仕事で「残業が必要になる一般的な理由」をご紹介します。
- 納期を守る為
業務量が増えた為
難易度が高かった為
臨時作業が発生した為
納期を守る為
「与えられた業務を期限までに完了させる為、追加の時間が必要になる場合」です。
「予期せぬ問題や遅延の発生」により、それを解決するために残業が必要になります。
業務量が増えた為
「業務量が急激に増加した場合」「業務量が想定よりも大きかった場合」などです。
通常の労働時間内では業務を完了することが難しくなり、残業が必要になります。
難易度が高かった為
「業務の内容が複雑だった場合」「知識や技術が不足していた場合」などです。
こちらも通常の労働時間内では十分に業務をこなす事が難しくなり、残業が必要になります。
臨時作業が発生した為
「深夜や早朝の時間帯のみ、おこなう事が可能な業務が発生した場合」です。
これは「誰も利用していない時間帯に作業をおこなう必要がある場合」などとなります。
「通常の労働時間」では対応できない為、「残業」が必要になります。
以上、「残業が必要となる一般的な理由」となります
これらはどれも「仕方がない理由」となります。
そして、「生活残業」のお話しに戻ります。
「生活残業」とは、「お仕事で残業が必要になる一般的な理由」を利用して、「生活費を稼ぐ事を目的としておこなわれる残業」になります。
「かなり悪い言いかた」となりますが、「わざと手を抜く」「わざと非効率な事をする」「わざと問題を大きくする」などをおこない、「残業をせざるを得ない状況」にします。
最近のほとんどの企業では「残業は許可制」です。
しかし、「残業をせざるを得ない状況」は「お仕事で残業が必要となる一般的な理由」に該当する為、「許可」されてしまいます。
また「残業を評価する社風がある企業」では、これが「有能」とされる事があります。
このような企業では、「手は抜かない」「効率的におこなう」「問題を最小限に食い止める」、これらの事をおこなっている「まじめな従業員」は「モチベーションの低下」となります。
そして、「モチベーションの低下」を理由に「まじめな従業員」は退職していきます。
残るのは「わざと手を抜く」「わざと非効率な事をする」「わざと問題を大きくする」、そんな従業員だけとなります。
生活残業が必要な理由
それでも「生活残業が必要」という場合があります。
「生活残業が必要な理由」は以下となります。
- 給料が少ない
- 昇給が見込めない
- ローンがある
- 大きな出費がある
- 時間に余裕がある
「結婚」や「出産」などで「生活のスタイル」は変化します。
なかなか「昇給しない」事により、「生活のスタイルの変化に昇給が追いつかな状態」となり、「生活残業に頼らざるを得ない状況」という場合があります。
また、企業側も「生活残業を黙認している」という場合があります。
これは、「新たに人を雇うなら、残業で賄ったほうが安上がり」となる為です。
「人を雇い続ける事」はお金がかかります。
そして、一度雇った従業員を簡単に「解雇する事」はできません。
よって、「生活残業の黙認」となります。
前述の通り、「まじめな従業員」は「モチベーションの低下」となる為、「生活残業」については「否定的」となります。
これは「正しい否定」です。
「わざと手を抜く」「わざと非効率な事をする」「わざと問題を大きくする」、このほうが間違っています。
しかし、「なら、妻子を苦しめる事になっても良いのか?」と言われると、「正しい事を言っている、こちらが悪者」、そのような雰囲気になります。
「生活残業」はなんとも「根の深い問題」ですが、「自分の会社を危険にさらしている危機感」は持つべきです。
「生活残業による企業の危機」は以下となります。
- 業務効率の低下
- 従業員のモチベーションの低下
- 予定外の人件費の増加
- 労働者への安全配慮義務違反
- 労働基準監督署のブラックリスト入り
いずれも「企業にとっては命取りになる危険性」があります。
「生活残業はやむを得ない」かも知れませんが、こうした「危険を作っている事を自覚する必要」があります。
とはいえ、「生活費」は必要です。
不足しているなら、「本当に家庭内でなんとかならない
か?」を確認するべきです。
「家賃」「食費」「通信費」「保険」などの「生活費の見直し」をおこなう必要があります。
ローンについては「任意整理」をおこなう事により、「月々の負担の軽減」ができるかも知れません。
「自治体の援助」についても調べる価値はあります。
それでも「生活残業」が必要ならば、「副業は可能か?」について会社と相談をする手段もあります。
「生活残業」をただ否定するのではなく、「こうした行動をしているのか?」に目を向けないと、「悪い慣習」として残り続ける事になります。
simacatより一言
現在では「働きかた改革」により、「残業のハードル」は高くなっています。
よって、いつまでも「生活残業」が続けられると思わないほうが得策です。
「今さえ良ければ」と考えていると、それはずっと続きます。
いつか「生活残業」が認められなくなった時、本当に生活できなくなります。
実際に、「残業代」が発生しなくなるケースがあります。
それは「昇進」です。
「管理職」になると「残業代が発生しなくなる」場合があります。
もちろん手当は増えますが、「残業代を下回るケース」があります。
この場合も、生活できなくなります。
「生活残業」をしている場合、「昇進」についても考えなければいけなくなります。
とはいえ、「昇進」により、「生活残業がなくなる」のは良い機会なのかも知れません。
話は変わりますが、「生活残業」の弊害が、「残業は悪という風潮」になります。
たしかに「生活残業は良い事」とは言えません。
よって、これにより「残業は悪」という考えかたになるのは、仕方がないのかも知れません。
しかし、「必要な残業」は存在します。
「残業は悪という風潮」により、「必要な残業」まで「悪」と言われる事があります。
これでは「やむを得ず残業をする事になった人」は不当な評価を受ける可能性があります。
このような事が起こらないように、「残業の内容や理由についてはオープンにするべき」です。
ただし、「担当者の能力不足」などを理由にする人がいますが、これは「管理者の管理能力の不足」とするべきです。
職場で起きている事を共有する事で、「残業の理由」が明確になる為、「正しい残業の形」を作る事ができます。
そして「正しい残業」は評価されるべきです。
理由は「自分の時間をお仕事に提供している」為です。
「正しい残業の形」を定着させる事は、「生活残業」を減らす事につながります。
そして、「会社への貢献」という形で、「正当に評価される存在」になります。
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