【ざっくり解説】バブルとは③?!80年代後半のバブル景気はどうして終わったの?!バブルは悪い事なの?!
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はじめに
「バブル景気」と聞くと、「お金がたくさんある状態」と想像する人も少なくはないと思います。
お金がたくさんあるのに越した事はないですよね。
ただし、お金がたくさんある状態は「物価高(インフレーション)」を招きます。
これは「物を消費する人が増える」、だから「需要が増える」、だから「価格が上がる」という流れとなる為です。
とはいえ、自分にお金があるなら、多少の価格の上昇は我慢ができると思います。
さて、「バブル景気」を「お金がある状態」とした時、これは「一つの理想の状態」となります。
日本には何度か「バブル景気」がありました。
今回は「日本の80年代後半からのバブル景気はどうして終わったのか?」について「ざっくり解説」をいたします。
「バブル景気が終わった理由」や「バブルは悪い事なのか」について考える時の参考にして頂きたいと思います。
安定の「ざっくり」なので、気になった人は、ご自身でさらに深堀りをして頂きたいと思います。
なお、「日本の80年代後半のバブル景気」については諸説あります。
今回はその一説とご認識ください。
日本の80年代後半からのバブルはどうして終わったのか?
日本の「80年代後半からのバブル期はどうして終わったのか?」となります。
そもそも「バブル」がおきた理由として「低金利政策」がありました。
この「低金利政策」により、「企業や個人がお金を借りやすい状態」となっていました。
このような状態だった為、借りたお金で「投資」をする「財テクブーム」が起こっていました。
この「財テクブーム」の中で、市場は加熱し、「株式」や「不動産」の価格が異常な程、高騰する事となりました。
これが「バブル」です。
この「バブルを鎮静化させる為に日本政府がおこなった主な施策」を挙げます。
- 税制面の見直し
- 不動産関連融資の総量規制
- 各種法整備
- 金融引締め
税制面の見直し
「税制面の見直し」にて、「持っている人や得る人に対して負荷をかける事」をおこないました。
具体的には、税金を上げる事で、景気の鎮静化をさせるという事です。
有名なのが1991年に導入された「不動産保有に課税する地価税」となります。
しかし、他の「バブルを鎮静化させる為に日本政府がおこなった施策」により、「売り手」ばかりで「買い手」がいなくなってしまいました。
この結果、「不動産価格の大暴落」を招く事となりました。
不動産関連融資の総量規制
「不動産関連融資の総量規制」により、「お金が借りづらい状態」になりました。
これは当時の大蔵省から金融機関に対する「行政指導」で、1990年3月27日から1991年12月までの間の期間限定でおこなわれました。
「不動産向け融資の伸び率」を「貸し出し全体の伸び率を下回る」ように求めたものとなります。
なんか分かりづらいですね。
簡単に言うと、「不動産向けの融資に対して規制をする」という事となります。
これも「売り手」ばかりとなり「買い手」がいなくなる原因となり、「不動産価格の大暴落」を招く事となりました。
各種法整備
「各種法整備」により「株や不動産の売買についてのルールを明確化」しました。
「株」や「不動産」の売買には法律があります。
しかし、グレーな部分も存在していました。
主なものが「損失補てん」となります。
「損失補てん」とは「損失について穴埋めをする事」となります。
証券会社は「株などへの投資商品の提案」を「企業」や「個人」におこない、投資商品に投資をさせて、この時に手数料を取って儲けを得ています。
しかし「投資商品が想定よりも利益を得られない」時、「投資の失敗」となります。
「投資の失敗」により、「企業や個人に損失が発生」します。
この「企業や個人の損失」を証券会社が肩代わりする事が「損失補てん」となります。
しかし、自由競争の中では「中立性・公平性」が原則となり、これが崩されてしまうと、「市場に対する信頼」を損なう事となります。
よって、「損失補てん」は不正行為となり、刑事罰となるほど厳重に禁止されました。
ちなみにバブル崩壊後、「損失補てん」が原因で資金繰りの悪化となり、「某証券会社」が倒産となっています。
金融引き締め
「金融引き締め」とは日本銀行がおこなう景気鎮静化の手段となります。
もともと、「低金利政策」によりお金が借りやすい状態となっていました。
よって、「お金を借りにくい状態にする事」で景気の鎮静化を目論みました。
具体的には金利を2.5%(初期)から段階的に引き上げ、6%(最高)としました。
しかし、「80年代後半のバブル」は「投資に限定された高騰」でした。
この「金融引き締め」がおこなわれた事で、「投資目的以外でもお金が借りにくい状態」になる事となりました。
以上「バブルを鎮静化させる為に日本政府がおこなった事」でした
これらの政策がほぼ同時期でおこなわれた結果、「バブルの終了」となりました。
しかし、この「バブル」が大きな爪痕を残している事から、これらが「正しい終わらせ方だったのか?」については、現在でも議論されています。
バブル景気は悪い事なのか?
「バブル景気は悪い事」という人がいます。
たしかに「実態にそぐわない価値の設定による物価の上昇」や「格差の拡大」は問題となります。
しかし、ある程度の物価の上昇は悪い事ではなく、むしろ生活を豊かにしてくれます。
よって、「バブルは悪い事」にはなりません。
とはいえ、「80年代後半のバブル」では「損害を受けた人」がたくさんいるのも事実です。
「実態のない価値がバブル」です。
これに飛びついてしまう事により、「バブル」が大きくなる事となります。
とはいえ、これに飛びつかないと「バブル」とはなりません。
よって、「バブルが弾けない程度」に膨らませ、それを維持する事が理想となります。
これをコントロールするのが「国」となります。
「国」には、「80年代後半のバブル崩壊」やそれ以降の「バブル」についても調査・分析をして、「良いバブル」を実現し、「日本を豊かにする政策」を実施して頂きたいと思います。
simacatより一言
「80年代後半からのバブルはどうして終わったの?!悪い事だったの?!」についてのざっくり解説でした。
個人的な意見となり恐縮ですが、「バブルを鎮静化させる為に日本政府がおこなった施策」についてとなります。
80年代後半のバブルは「株式」や「不動産」などの「資産」に偏っていました。
この「偏り」を「日本全体の景気」として判断をしてしまった点に問題があったのではないかと思います。
「株式や不動産などの資産に関連する部分のみ、税制の見直しや法整備などをおこなっていれば良かったのでは?」と感じますし、「気づきの遅れ」や「早過ぎる対策による変化」もバブル崩壊後に大きな爪痕を残した原因だとも感じます。
経済は難しいと思います。
しかし、日本政府には「日本の事」ではなく、「日本の国民の事を考えた経済の発展」を考えて頂きたいと思います。
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