【ざっくり解説】値段が高い?!値段が安い?!そもそも値段はどう決まる??
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はじめに
物を買う時、値段があります。
その値段が、「高いと思うか?」、「安いと思うか?」、それは人それぞれです。
「比較」を行い、考える場合もありますし、「独自性」で考える場合もあります。
それでは、そもそも「値段ってどう決まるのか?」、考えた事はあるでしょうか?
「値段」は「物」だけに付けられるわけではありません。
人が動く事により、「人に対する値段」がつけられる事もあります。
今回は、「値段」がどのように決められるのかをざっくりと解説致します。
売上
「値段」は、「売上」を上げる為に必要な物となります。
タダであげる物に対しては、「値段」を付ける必要はありません。
したがって、「売上」を上げるために「値段」が存在し、「売上」は「原価」と「販売費」と「利益」で成り立っています。
原価
まずは「原価(製造原価)」というものがあります。
「原価」とは、「売上を上げる為の物ができるまでに、かかったお金」となります。
一般的な「原価」の内訳を挙げます。
- 研究開発費、マーケティング調査費
- 仕入(商品そのものであったり、商品を組み立てる為に必要な材料や関連する部品)
- 工作費(商品を作ったり、組み立てたりする為の人件費や消耗品費)
- 商品を作るために必要な、光熱費、設備費、特許利用料など
- 事務費(人件費)、管理費、など
これらが「原価」となります。
なお、売るものが「物」ではない場合、例えば「人によるサービス」を提供する場合は、「人件費」、「事務費」、「管理費」などが「原価」となります。
「研究開発費とか工作費などの、なんとか費」は、「勘定科目」というものですが、ここでは気にしなくて大丈夫です。
「原価には、こんな物が含まれている程度の理解」で問題はありません。
そして、この「原価」は、「値段」をつける物に対して、一定の比率で「割り振り」をおこなう場合があります。
この「割り振り」を「按分」と呼ぶ事もあります。
「値段」に含まれる「原価」とは、この「割り振りをおこなったお金」、「按分をされたお金」となります。
販売費
次に「販売費」という、「売上を行う為に必要なお金(経費)」となります。
この「販売費」に含まれる物の例を挙げます。
- 宣伝広告費(一部、営業経費に含まれない事柄があります)
- 営業活動費(人件費、事務費、管理費)
- 販売促進費(商品サンプル、ノベルティグッズ)
- その他、もろもろ
ここでも、「宣伝広告費や人件費など、なんとか費」が出てきますが、今回も気にしなくで大丈夫です。
「売上」を行うためには、「こんな感じの、お金が必要なんだ」程度の理解で問題はありません。
そして、「販売費」も「原価」と同じく、「割り振り」をおこなったり、「按分」をして、「値段」に含める事となります。
利益
「原価」と「販売費」と「利益」で「値段」が決まります。
正確には、「値段 ー(原価 + 販売費)= 利益」なのですが、「値段を決める時は、あらかじめ利益を想定」しています。
何かを売って「利益」を生み出す。
何かを行なって「利益」を生み出す。
会社は、「利益を生み出して、儲けを得る事」が、目的となっています。
この「利益」は、「株主への配当など、会社の外に出てしまう物」と、「会社の資産など、会社の内部に残る物」があります。(正しくは、「売上」から、「原価」「販売費」を引き、さらに「設備投資への費用化」、「定期昇給や賞与などの人件費への費用化」など、様々な費用を差し引いた後に、「利益」となりますが、ここでは省略をします)
このような「利益」を確保するために、「値段」を付ける事となります。
「原価」や「販売費」は、すでに使ったお金ですが、「利益」は「売上」により発生します。
「売上」を上げる事で、「原価」を回収し、「営業費」を回収し、「利益」を生み出します。
時々、「値引き」などの文言を耳にする事があります。
すでに使ってしまったお金である「原価」や「営業費」を変える事はできませんが、「利益」は「売上」を行なって発生する物です。
したがって、「売上」をおこなうまでは、「値段を変更する事が可能」となります。
「値引き」は、「利益を減らしても、売上を得る」時に、「値段」を下げる行為となります。
そして、「赤字」という言葉がありますが、これは「利益のマイナス」を意味しています。
繰り返しとなりますが、すでに使ってしまったお金である「原価」や「営業費」を変える事はできません。
この「原価と営業費を足した値段よりも低い値段で、売上を行う」事が、「赤字」と言われています。
この「赤字」は、「売上」により回収できない「原価」と「営業費」については、会社の負担となります。
「値段」は、「原価」と「営業費」と「利益」を合わせた物で、言い換えると「掛かったお金と得られるお金が含まれている金額」となります。
「利益率」という言葉がありますが、これは「値段」に対する「利益の割合」となり、これが高いと「儲けが大きい」、低いと「儲けが少ない」という事で、ざっくりと理解をして頂ければと思います。
値段
「利益」を多く得られる会社は、経営状態が安定します。
そして、経営状態が安定していれば、働いている人に支給できる金額も高くなります。
「利益」を多く得ている会社で働くと、お給料などの待遇が良くなるのは、こういう仕組みとなっているからです。
売る物があり、売る活動があり、「値段」を付けて売られ、そして「売上」が発生する事により「利益」が生まれ、その「利益」が多くなれば、会社が豊かになり、経営状態が安定し、働いている人が恩恵を受ける事となります。
また、こうした「経営状態が安定した会社の商品(物や人に限らず)」は、安心して購入する事ができます。
購入する側も、多少「値段」が高くても、安心できる物を選ぶので、好循環となります。
simacatより一言
「値段」は「利益」と強い関係があります。
この「利益」を増やすために、「原価」や「販売費」を極力、下げる動きとなっています。
そして、この影響をモロに受けているのが、「人件費」となります。
ご自身のお給料について考える事がある時、こうした背景も合わせて、お考え頂ければと思います。
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