お仕事での障害と障害管理とは?!もう困らない?!誰でもできる?!台帳を作ってリスク回避をする?!
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はじめに
お仕事をしていると、さまざまな問題に遭遇します。
その中で、一番厳しいのが「障害」です。
「お客様からのクレーム」などの外的要因から、「上司に提出した売上の集計表に誤りがあった」などの内的要因まで、普通では起こらない事が起きてしまい、大小に関わらず、何らかの被害が出てしまう事があります。
「障害」の発生は故意に起こさない限り、誰にも予測ができません。
しかし、起きてしまった事については、「早急な対応」を迫られます。
そして、対応が終了した後に、必ずおこなわなくてはいけない事があります。
それは「原因の究明」と「再発防止」です。
「その障害は、なぜ起きたのか?」「その障害は、どうすれば防げたのか?」、これらの事を検討し、その結果をお仕事に反映させる必要があります。
今回は「障害管理」について触れたいと思います。
「起きてしまった障害を今後に活かす工夫」として参考にして頂きたいと思います。
障害とは
「障害管理」のお話しの前に、「障害とはなにか?」について触れておきます。
「障害」とは「お仕事の遂行に影響を与えるさまざまな困難や問題の事」になります。
「お仕事で発生する一般的な障害と対策」をご紹介します。
技術的な問題
コンピュータの故障(ハードドライブの故障、ソフトウェアの不具合、ネットワークの問題など)やインターネット接続の問題(回線速度の低下、接続の断続など)が一般的となります。
対策は、「定期的なバックアップの実施」「ソフトウェアのアップデート」「セキュリティ対策の強化」「トラブルシューティングガイドの活用」「ITサポートへの連絡」などになります。
人為的なミス
データ入力ミス(数字の打ち間違い、スペルの誤り、形式の不備など)、伝達ミス(聞き間違い、書き間違い、誤解など)、手順の誤り(誤った手順での作業、必要なステップの省略など)が一般的となります。
対策は、「ダブルチェックの実施」「書面による指示の明確化」「マニュアルやガイドラインの作成」「教育や研修の実施」などになります。
コミュニケーションの問題
意思疎通の不足(必要な情報が共有されていない、誤解が生じているなど)、チームワークの欠如(メンバー間の連携がうまく取れていない、責任の所在が不明確など)、顧客とのトラブル(クレーム、返品、キャンセルなど)が一般的となります。
対策は、「定期的なミーティングの実施」「明確なコミュニケーションツールの利用」「フィードバックの奨励」「積極的な傾聴」「顧客対応のマニュアル化」などになります。
方法や手順の問題
非効率的なワークフロー(無駄なステップが多い、作業が重複しているなど)、明確な基準の欠如(判断基準が曖昧、統一されていないなど)、文書管理の不備(最新の情報が反映されていない、必要な書類が見つからないなど)が一般的となります。
対策は、「ワークフローの見直し」「プロセスフローチャートの作成」「マニュアルやガイドラインの作成」「文書管理システムの導入」などになります。
資材の不足
在庫切れ(必要とする資材が不足している)、納期の遅延(資材が納期通りに届かない)、品質問題(資材の品質が不良である)が一般的となります。
対策は、「在庫管理システムの導入」「サプライヤーとの連携強化」「予備資材の確保」「品質管理の徹底」などになります。
外部要因
自然災害(地震、洪水、台風など)、停電(計画停電、突発的な停電など)、政治的な混乱(ストライキ、デモなど)が一般的となります。
対策は、「災害対策マニュアルの作成」「緊急連絡体制の構築」「ビジネス保険への加入」「リスク管理の強化」などになります。
機器の故障
コピー機の故障(用紙切れ、トナー切れ、故障など)、電話機の故障(接続不良、音声の乱れなど)、車の故障(エンジン故障、パンクなど)が一般的となります。
対策は、「定期的なメンテナンスの実施」「予備の機器の用意」「修理業者のリスト作成」「ロードサービスへの加入」などになります。
セキュリティの問題
情報漏洩(個人情報や機密情報が漏洩する)、サイバー攻撃(ウイルス感染、ハッキングなど)、不正アクセス(不正なログイン、データの改ざんなど)が一般的となります。
対策は、「セキュリティ対策ソフトの導入」「定期的なパスワード変更」「社員教育の実施」「セキュリティポリシーの策定」などになります。
法令遵守の問題
法令違反(労働基準法、安全衛生法などの法令違反)、コンプライアンス違反(社内規定や倫理規範に違反するなど)、訴訟(顧客や取引先から訴訟を起こされるなど)が一般的となります。
対策は、「法令遵守体制の構築」「社内コンプライアンスプログラムの導入」「リスク管理の強化」「弁護士への相談」などになります。
経済状況の悪化
景気後退(売上減少、利益減少など)、金融危機(資金調達難、投資損失など)、為替レートの変動(輸入コスト増加、輸出収益減少など)が一般的となります。
対策は、「経営戦略の見直し」「コスト削減策の検討」「新規事業への参入」「リスクヘッジの強化」などになります。
以上、「お仕事で発生する一般的な障害と対策」となります
とはいえ、「あくまでも一例」です。
業種や職種、経験により、さまざまです。
また、「疑問や失敗などの個人的な事柄」であっても「お仕事の遂行に影響を与える」という意味では「障害」になります。
よって、「障害は減らす必要がある存在」になります。
障害管理
「障害を減らす為におこなう事」が「障害管理」になります。
言い換えると「お仕事の遂行に影響を与える事柄を管理する」という事になります。
具体的には「発生した問題が二度と起こらないように対策を施す」、「問題が発生した時の対応手順を定義しておく」などになります。
よって、この「障害管理でおこなう主な行動」は、「問題の特定」「原因の調査」「解決策の検討および実装」になります。
「障害管理」をおこなう事により、「障害は発生しなくなる」、もしくは「早急な対処が可能になる」という事になります。
「障害というリスクの対策」になる為、「リスクの軽減」に貢献します。
それでは「障害管理をおこなう時の流れ」になります。
台帳の作成
「障害」が起きた時、それを「記録」する必要があります。
これが「台帳」になります。
この「台帳」に記録して管理をおこないます。
「台帳」には最低でも「ステータス」「日付」「時刻」「連絡してきた人(連絡先)」「障害の連絡を受けた人」「障害の内容」「対応期日」「対応担当者」「対応日」「対応内容」「再発防止策」(「備考」)が必要です。
「障害」が起きた時は、これらの情報を「台帳」に記入します。
「検索の為のキーワードの記入欄を設ける」などの工夫があると、「今後に発生する同様の障害に対する備え」になり、「利用しやすい台帳」になります。
そして、「すべての項目の記入の完了」にて、「障害の対応完了」になります。
気を付ける点は「再発防止策」です。
今後、「同様の障害」が起きないような施策の検討や実装がおこなわれるまで、「障害は対応完了していない」という認識になります。
「発生した障害」について「対応中なのか?」「完了しているのか?」を分かりやすく示した情報が「ステータス」になります。
この「台帳」を作成する事により「過去に発生した障害を参照する事が可能になる」為、「障害の対処法や解決の為のヒント」を得る事ができます。
ちなみに「台帳」により「過去に同様の障害が発生していた」とします。
そして、この「障害」に対して「再発防止策」が検討され、実装されていたとします。
それでも「同様の障害が起きた」時は、「再発防止策の効果がなかった」という事になります。
よって、「再発防止策」を再度検討し、実装する必要があります。
そして、「台帳」を作っても安心できないのが「運用方法」で、特に「進捗の確認」になります。
「障害が発生したタイミング」と「障害対応したタイミング」、そして「障害の再発防止策の検討や実装したタイミング」は異なります。
また、「担当者」も異なる場合があります。
よって、「障害が完了していないのに忘れ去られてしまう危険性」があります。
これを防ぐ為に「進捗の確認」が必要になります。
「進捗の確認」には基本的に「専任者」を立てておくべきです。
「専任者」が、その責任のもとに「障害の進捗の確認」をおこない「障害の完了まで見届ける」のが理想になります。
しかし、「人手が足りない」「運用方法が確定していない」などの場合があります。
このような場合、台帳への記入は「障害の連絡を受けた人」がおこないますが、「対応期日」と「対応担当者」が決定するまで、一時的に「障害担当者」とします。
「障害担当者」になる事により、「対応担当者を割り当てる為の行動が必要」になります。
こうする事で「責任の範疇」が明確になります。
そして、「対応期日」や「対応担当者」が決定したら、「対応担当者」が「障害担当者」になり、「障害担当者は障害が完了するまで、責任を持って対応する」事になります。
そして、「障害」は、「対応日」「対応の内容」「再発防止策」(「備考」)の記入欄が全て埋まる事で「記入の完了」になります。
とはいえ、これはあくまでも「運用方法の例」になります。
「障害が完了していないのに忘れ去られてしまう」事がないような「運用方法」を検討する必要があります。
再発防止策の検討
「再発防止策」は「同様の障害」が再度、発生しないようにする為の「施策」です。
しかし、必ず「再発防止策を実装する」とは限りません。
例えば、台帳で確認をした時に「前回の障害の発生が1年前」だったとします。
そして、「障害の対応内容」を参照すると、「5分程」で完了する内容だったとします。
これに対して、「再発防止策」を実装すると「1日を8時間」として「20日間」かかるとします。
「1年間で5分の障害」を「160時間」かけて、再発防止策を実装する事になります。
これでは「作業的な効果」はあっても、「費用的な効果」はありません。
よって、「再発防止策は必ず実装するとは限らない」という事になります。
そして、「再発防止策」を実装しなかった場合、台帳に「理由を記入する」必要があります。
台帳にて、「同様の障害の履歴」を追う事で、「再発防止策を施さなかった理由」も知る事ができます。
根本原因の究明について
「再発防止策」を検討するにあたり、「障害がなぜ起きたのか?」、原因を究明する必要があります。
ここで重要な事があります。
「原因」には「根本的な原因」がある事です。
どこまで、深く調査するかは「障害の重さ」によりますが、「重大な障害」の場合、「根本的な原因」をしっかりと捉える必要があります。
例えば、「集計表の計算にミスがある障害」が、発生したとします。
この「原因」を「数字が横に並んでいた為、見落としがあった」とします。
それでは、「見落としがないように、数字を縦に並べる」事を「再発防止策」としました。
しかし、それでも「障害」が起こってしまいました。
これは「原因が誤っていた為、再発防止策が役に立たなかった」という事になります。
確かに、「障害の原因」としては正しかったのかも知れません。
しかし、「重大な障害」が発生し、根本原因までしっかりと調査をおこなう場合、「なぜ、障害の原因が発生したのか?」まで、掘り下げる必要があります。
「集計する担当者の疲労がピークだった」のかも知れません。
「集計する担当者がよそ見をした」のかも知れません。
色々な事を想定する必要があります。
このような事を想定すると、「人が関与している事が原因」という発想が生まれます。
これは「人が関与しなければ障害はおきない」という事になります。
よって、「再発防止策」は「人が関与せず、自動的に集計する仕組みを作る」事になります。
このように「原因の調査」をする時は、時間の許す限り、「原因の掘り下げ」をおこない、「障害がおきる要素を潰す」必要があります。
以上、「障害管理をおこなう時の流れ」となります
「台帳の記入は障害管理をおこなう為の一歩」です。
「時間がないから」と怠ると、いつか自分の首をしめる事になります。
とはいえ、「会社で障害管理がされていない」という場合があります。
このような場合は「個人用の障害管理」をするようにしてください。
これは、あくまでも「自分の為」「自分用の備忘録」になりますが、「障害に対するリスクの軽減」になります。
「自分で自分を守る為の情報」として活用するようにしてください。
simacatから一言
わざわざ「障害の台帳」を作っても、活用されないケースがあります。
台帳に「どの様な事を記入するのか?」が、職場内で統一できていない時に起こります。
「記入する粒度」になりますが、「あまりにも細かすぎる内容」では理解に苦しみますし、「あまりにも大雑把な内容」では「何が起こり」「何をした」のかが分かりません。
台帳を作成する時は、この「記入する粒度」を決めて、「記入するポイント」や「記入例」も合わせて職場に浸透させる必要があります。
「障害は起こる物」と考えて、その時に備える事が重要になります。
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