お仕事での問題点の調査と原因の究明の為の分析手法とは?!ルートコーズ分析?!5Whys法(なぜなぜ分析)?!
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はじめに
お仕事ではさまざまな問題が発生します。
そして、「発生した問題」は放置しておく事ができず、「原因究明」や「問題解決」をおこなう必要があります。
そのような時におこなう事が「分析」となります。
今回は「ルートコーズ分析」と「5Whys法(なぜなぜ分析)」について触れたいと思います。
これらの「分析手法」にて、お仕事で発生する問題の分析や問題解決にお役立て頂きたいと思います。
ルートコーズ分析とは
「ルートコーズ分析」とは、「特定の問題や課題に対してその原因を明らかにするために行われる分析手法の一つ」となります。
英語の「Root Cause Analysis」の単語の頭文字をとって「RCA」などと呼ばれていますが、日本語では「根本原因分析」と言われています。
この手法は、問題の根本的な原因を特定する為に、「問題が発生するまでの経緯や要因を順に追究すること」に焦点を当てています。
「ルートコーズ分析の手順」になります。
問題の明確化
はじめに、「解決するべき問題を具体的に定義」して、その問題が発生している「具体的な状況や背景」を明らかにします。
因果関係の特定
問題が発生するまでの過程で関与している様々な「要因や出来事」を洗い出し、これらの「因果関係の把握」をおこないます。
因果関係の優先順位付け
「特定された因果関係」に対して、「どれが最も重要で即座に対処すべき原因なのか?」の「優先順位付け」をおこないます。
根本原因の特定
「優先順位の高い原因」に焦点を当て、その原因が「なぜ問題を引き起こしているのか?」をさらに掘り下げていきます。
これが「問題の根本原因」となります。
解決策の立案
「根本原因」を特定したら、それを対処するための「具体的な解決策や改善策」を検討し立案します。
実施と評価
「立案した解決策」を実際に実施し、その効果を評価します。
必要に応じて調整をおこないながら問題解決を進めていきます。
以上、「ルートコーズ分析の手順」となります
それでは、「具体的なルートコーズ分析の例え」を挙げます。
仮に「ある製造工場で製品の不良率が上昇しているという問題が発生している」場合となります。
問題の明確化
製品の不良率が上昇しており、これが「製造工場の品質に関する深刻な問題」となっている事が分かりました。
因果関係の特定
製品の不良率が上昇するまでの過程で、「生産ラインの各段階や作業者の手順」「使用されている材料」など、「関与している様々な要因」を洗い出します。
因果関係の優先順位付け
「洗い出した要因」に対して、「どれが最も不良率に影響を与えているか?」について優先順位をつけます。
例えば「材料の品質」「作業者のトレーニング不足」「機械の故障」などとします。
根本原因の特定
「優先順位の高い要因」に焦点を当て、「不良率を引き起こす根本的な原因」を特定します。
例えば「材料の品質が不良であること」が原因であると判明したとします。
解決策の立案
「材料の品質向上」に対処するための具体的な解決策を考えます。
例えば「信頼性の高い材料の供給業者との契約」や「定期的な品質チェックの実施」などとなります。
実施と評価
「信頼性の高い材料の供給業者との取引」や「品質チェックの実施」を開始し、「一定期間後に不良率の変化を評価」します。
今後も必要に応じて調整をおこないながら、問題解決を進めていきます。
以上、「具体的なルートコーズ分析の例え」となります
このように「ルートコーズ分析」を通じて「製品の不良率の問題」に対処する手順を示す事が可能となります。
分析の途中で「新たな要因」が浮かび上がった場合は、それにも対応しながら問題解決を進めていきます。
「ルートコーズ分析」は、さまざまな職種や分野で利用されます。
問題解決のプロセスを論理的かつ体系的に進める為の手法となります。
5Whys法(なぜなぜ分析)とは
「5Whys(ファイブホワイズ)法:なぜなぜ分析」とは、「発生した問題に対して何度も"なぜ?”という質問を繰り返していく分析方法」となります。
「何度も"なぜ?"という質問をして回答繰り返していく」事で問題の本質的な原因を見つけ出すことを目指します。
この分析方法では「5回の"なぜ?"で問題の本質に迫る」とされていますが、場合によっては、それ以上の回数が必要になる事もあります。
「問題の根本原因を明らかにするための手法」となり、「直感的でシンプルなアプローチ」となります。
「5Whys法(なぜなぜ分析)の手順」となります。
問題の特定
問題が発生した状況や状態を具体的に把握し、問題を特定します。
最初の"なぜ?"
問題に対して"なぜ?"という質問を投げかけ、「なぜその問題が発生したのか?」を明らかにします。
これが最初の"なぜ?"となります。
回答への対応
最初の"なぜ?"に対する回答を得たら、それに対して再び"なぜ?"と質問をして、更なる原因を明らかにし、このサイクルを繰り返します。
5回目まで繰り返す
通常、5回目までに「問題の根本原因」が明らかになる事が基本となりますが、問題によってはもっと少ない回数で解明できる場合もあります。
根本原因の特定
5回目までの"なぜ?"までに「問題の根本原因」を特定していきます。
これによって、対処法や解決策を見つける助けになります。
以上、「5Whys法(なぜなぜ分析)の手順」となります
それでは、「具体的な5Whys法(なぜなぜ分析)の例え」を挙げます。
仮に「ある製造工場で製品の不良率が上昇しているという問題が発生している」場合となります。
問題の特定
製品の不良率が上昇している。
最初の"なぜ?"
なぜ製品の不良率が上昇しているのか?
2回目の"なぜ?"
なぜ製品の製造工程で問題が発生しているのか?
3回目の"なぜ?"
なぜ工程で問題が発生するのか?
4回目の"なぜ?"
なぜその工程でミスが生じるのか?
5回目の"なぜ?"
なぜその工程で正確に作業ができないのか?
このように"なぜ?"を繰り返し、その回答を得ながら「問題の根本原因」を特定していきます。
以上、「具体的な5Whys法(なぜなぜ分析)の例え」でした。
あくまでも「例」となりますので、どこに「問題意識を持つのか?」については、参考程度とお考えください。
とはいえ、"なぜ?"という「複数の疑問」を持つ事でその回答により「根本原因」を明らかにしていきます。
「根本原因」が明らかになる事により「対策や改善策」を導き出す事が可能となります。
simacatより一言
お仕事で「発生する問題の分析方法」として、他にも「SWOT(スウォット)分析」「フィッシュボーン図」「PDCA(ピーディーシーエー)サイクル」などがあります。
これらの分析方法にはそれぞれ特徴があります。
よって、「発生した問題の性質や規模」により「さまざまな分析手法を柔軟に利用できる事」が理想となります。
ちなみに「現場で調査手法に決まりがある場合」があります。
「現場の決まり」という事なので、ほとんどの事柄はその手法で「原因の究明」や「対処・対応」が可能だった経緯があり、だから「慣例」となり「決まり」になったと思われます。
しかし、「決められた手法」では「原因の究明」や「対処・対応」が難しい場合があります。
この場合は、「決められた手法」であっても、そのやり方を疑うべきとなります。
「決められた手法」により「原因究明」に時間がかかり、「対処・対応」が遅れてしまう事がある為となります。
本来、優先するのは「手法」よりも「対処・対応」となります。
しかし、「決められた手法」がある事により「優先順位」を見失ってしまう事があります。
もし、このような事が発生した時は「現場の責任者」に「どちらを優先するべきか?」の確認をしてください。
許されない場合は、「対処・対応」が遅れても「決められた手法」にて「原因究明」を続ける事となります。
仮に許された場合は、「さまざまな分析手法が利用できる」事となります。
このような時に備えて、「さまざまな分析手法」を身につけておくようにしてください。
「公の場での利用」は難しくても、個人的なお仕事の中で、必ず活かせる技術となります。
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