貸借対照表の読み方とは?!令和元年度東京都年次財務報告書の貸借対照表を軽く眺めてみました?!
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はじめに
「令和元年度 東京都年次財務報告書」の「貸借対照表(バランスシート、B/S)」を眺めてみたいと思います。
先にお断りとなりますが、「財政状況が良いのか、悪いのか」の判断を目的としておりません。
実際に「東京都財務局が発表した資料を眺めてみる」という内容となっています。
「貸借対照表」の読み方を知る事は、「読む事に興味を持てる」という事となります。
「読む事」とは、「さらに詳細な情報を知る為のキッカケ作り」となります。
まずは、あまり難しく考えずに、流れのままに、お読み頂ければと思います。
なお、「東京都年次財務報告書」としていますが、現在、他の都道府県でも同様の報告書が作成されています。
これをお読みになった後、ご自身がお住まいの地域の「財務報告書」も、お読み頂ければと思います。
令和元年度「東京都年次財務報告書」
令和元年度「東京都年次財務報告書」を読んでみましょう。
初めに、令和元年度「東京都年次財務報告書」のURLとなります。
ここに、年度別の報告書が保存されています。
「決算」とは、「一定期間内の金銭の状態の最終的な結果」となります。
「決算をおこなう」とは、「一定期間内の金銭の最終的な状態を求める作業」となります。
ちなみに、「一定期間」についてですが、「会計期間」などとも呼ばれています。
日本では「財政法第11条」に「国の会計年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終るものとする。」と定められています。
したがって、この法律が変わらない限り、「毎年4月1日から翌年3月31日」が「会計期間」となり、この「会計期間」の金銭の動きから、最終的な状態を求める事となります。
「令和元年度報告」であれば、「令和元年4月1日〜令和2年3月31日」が「会計期間」となります。
なお、毎年4月に「財務報告書」が発表されるように思われがちですが、違います。
毎年4月1日になると、新しい年度がはじまり、会計期間の開始となります。
それと同時に、前の年度である「前期の決算をおこなう作業」がはじまります。
したがって、「財務報告書」が作成されるまでには、それなりの時間が必要となります。
そして、「決算」にて、「財務報告書(財務諸表)」が作成されます。
「貸借対照表」は、この「財務報告書」の一つとなります。
今回は「令和元年度東京都年次財務報告書」を利用します。
外部リンク:令和元年度決算 https://www.zaimu.metro.tokyo.lg.jp/zaisei/kessan/r1.html
外部リンク:年次財務報告書 https://www.zaimu.metro.tokyo.lg.jp/syukei1/zaisei/31nenjizaimuhoukokusho_index.html
「配布資料」として、令和元年度「東京都年次財務報告書」の「<概要>」と「<本編>」のPDFファイルがあります。
今回は、この「配布資料」を使用します。
貸借対照表を見る
さっそく、「貸借対照表」を見てみましょう。
その前に「令和元年度東京都年次財務報告書」の「<概要>」と「<本編>」の違いですが、「<概要>」が抜粋版となり、詳細は「<本編>を参照」というイメージとなっています。
まずは、「<概要>」の2ページ目に、「新たな公会計手法による分析」があり、「貸借対照表」があります。
まず、確認するべき点が「単位」となります。
これは、「貸借対照表」に書かれている「数字の単位」となり、「単位:億円」となっています。
資産の部合計に「351,882」と書かれているので、「351,882億円」となります。
単位を「兆円」にすると、「35.1882兆円」となります。
次に、「貸借対照表」の縦の見出しに、「資産の部合計」と「負債の部合計」があります。
「資産」とは「所有している財産」となり、「負債」は「自分の財産ではない資産」で、「借金」などとなります。
東京都は、「351,882億円(約35.2兆円)の財産がある」、「65、108億円(約6.5兆円)の借金がある」事となります。
「貸借対照表」に、「正味財産の部合計」とありますが、これは「資産」から「負債」を引いた値となり、「表現は悪い」のですが、「儲け」となります。
この「表現は悪い」についてですが、都は普通の企業のような「営利目的」で活動を行なっているわけではないので、「儲け」という表現は望ましくありません。
しかし、「貸借対照表をみると、そのような見え方をしてしまう」と言う事となります。
そして、「30年度」と書かれた列がありますが、これが「前期の情報」となり、「当期と前期を比べた増減」が記載されています。
「増減」の欄の数字の先頭に「△」とあるのは、「マイナス」をあらわしています。
したがって、「△」がついている数字は、「減っている」事をあらわしています。
その「解説」として、「資産・負債などのトピック情報の分析」のコメントがありますが、正直、このコメントでは「正味財産が増えた」程度の情報しか分からないのですが、ここが重要となります。
「何が増えたのか?」「どうして増えたのか?」、その理由を知る為に、「<本編>」を確認します。
「<本編>」での「貸借対照表」は、18ページから19ページに記載されています。
色々なコメントがあるのですが、「貸借対照表」を見てみましょう。
ここでも、はじめに「単位」の確認をおこないます。
「単位」は「億円」と「%」とあります。
「%」は「増減率」の欄の単位となります。
「<概要>」では、「資産の部合計」とありましたが、「<本編>」では、その内訳が記載されています。
また、同じように「負債の部合計」の内訳も、記載されています。
そして、「<概要>」と同じように、「前期である30年度」も記載され、その「増減」が記載されています。
「資産の部」の増減は、「増えていれば、財産が増えている」「減っていれば、財産が減っている」となります。
「負債の部」の増減は、「増えていれば借金が増えている」「減っていれば借金が減っている」となります。
「負債」は、「財産を減らす物」となるので、「減る事は良い事」「なるべく増やさない物」となります。
このように、財産について「何が増えたのか?」「何が減ったのか?」を、知る事ができます。
そして、19ページの「貸借対照表」の下に、「コメント」が記載されており、「増減の理由」に触れています。
この「コメント」が理解できない場合や、「資産の部」「負債の部」にそれぞれある、「その他ってなに?」と思われた時は、「財務局主計部財政課」への問い合わせとなります。
「貸借対照表」では、「東京都が持っている財産」について把握する事ができます。
「財政が厳しい」「財政難だ」などと耳にした時、この「貸借対照表」をご確認頂き、「どのあたりが原因となっているのか?」「資産を売れば良いのではないか?」など、「自分の考えや意見」を持つ事ができます。
simacatより一言
「東京都年次財務報告書」の「貸借対照表」の読み方でした。
「財務報告書」は、他にも「損益計算書(P/L)」「キャッシュフロー(C/F)」などがあります。
「財務報告書」を読んでいると、目がチカチカしてくると思います。
したがって、慣れないうちは「流し読み」をおこない、「気になる所だけを深く読んでみる」で良いと思います。
「自分たちが支払った税金の使われ方」となっているので、気にする価値はあると思います。
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