【ざっくり解説】不当解雇ではない解雇とは?!懲戒解雇、整理解雇、普通解雇について簡単解説!!
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はじめに
ニュースなどで、「不当解雇」という言葉を耳にします。
これは、文字通り「不当な解雇」です。
「不当解雇」を突き詰めると、多くの事例があるのですが、凄く簡単に言ってしまうと「会社(事業主)の都合で、労働者の同意なく、無理やり辞めさせる事」となります。
そして、「不当な解雇」がある以上、「正当な解雇」も存在します。
「正当な解雇とは、公に認められている解雇」となるのですが、実態は「不正な解雇」でなければ、「正当な解雇」となります。
「正当な解雇」には、「懲戒解雇」「整理解雇」「普通解雇」があります。
今回は、それらの「正当な解雇」について、簡単にざっくり解説をいたします。
懲戒解雇とは
「懲戒解雇」とは、会社側が労働者に対して行う、一方的な「解雇」となりますが、これは「懲戒処分」の中で、定められた処分となります。
「懲戒」とは、「不正・不当な行為に対する、戒め(イマシメ)の為の罰」です。
「懲戒処分」には、通常7段階の処分があります。
- 戒告(カイコク):口頭注意
- 譴責(ケンセキ):始末書
- 減給:賃金の一部をカット(尚、労働基準法に上限の規程あり)
- 出勤停止:一定期間の出勤を停止(賃金の支払いはない)
- 降格(コウカク):役職や職位を引き下げる(結果、賃金や立場が下がる)
- 諭旨解雇(ユシカイコ):解雇の趣旨(シュシ)を伝え、理解された上での解雇
- 懲戒解雇(チョウカイカイコ):会社側から、一方的に雇用関係を解消
「懲戒処分」は、「不正・不当な行為」をおこなった労働者に対して、弁明の機会を与え、会社側と双方で、事実確認を行った結果、処分が決められ、実行されます。
そして、最も重い処分が「懲戒解雇」となります。
「解雇」とは、「労働者の同意がなく、会社側から一方的に雇用を解消する事」となっています。
「6.諭旨解雇(ユシカイコ)」については、なんとなく「解雇」とは違うような気がしますが、「不正・不当な行為の重さを知らしめる事」と、ご理解頂ければと思います。
「懲戒解雇」は、「懲戒処分の中で最も重い処分」となるのですが、それだけに、簡単に行える事ではありません。
「懲戒解雇」となる事柄が「社則」などに明記され、労働者にも周知され、そして、その事柄が「社会通念上」、正しい事である必要があります。
「社則」に明記されていない事であっても、「懲戒処分」となり、「懲戒解雇の可能性があるケース」を挙げます。
- 仕事での地位、立場を利用した犯罪行為:不正経理、架空取引
- 会社の名誉を著しく傷付ける重大な犯罪行為やそれに類する行為:私生活も含む
- 経歴詐称(ケイレキサショウ):学歴や取得資格など
- 長期間にわたる無断欠勤:出勤命令にも応じない
- 行き過ぎるハラスメント行為:非常に悪質で、かつ改善命令に応じない
- 懲戒処分を繰り返す:懲戒処分となる「不正・不当な行為」を繰り返す
普通に考えると、「懲戒解雇」を免れるのは、難しい事柄ばかりとなっています。
社則を守り、普通にお仕事をしていれば、まず「懲戒処分」を受ける事はありません。
「懲戒解雇」は、それほど、レアなケースとなります。
整理解雇とは
「整理解雇」とは、会社の経営上の理由により、行われる「解雇」です。
「雇用調整」「リストラ」などが、この「整理解雇」にあたります。
会社の経営の悪化が主な要因で、「労働者を雇う事ができない状態」なので、「解雇」を行います。
しかし、会社の経営が悪化したからといって、無闇に「整理解雇」が行われない為に、「一応」、ルールがあります。
- 従業員削減の理由が明らかである事
- 従業員削減とならない為の工夫や努力をした事
- 整理解雇される労働者の選定とその基準に合理性がある事
- 整理解雇される労働者に対して、説明責任を果たし、労働者にも理解を得ている事
「一応」としているのは、この記事を作成した時点では、「労働基準法」に「これらの事柄を解消しなければいけない」というルールがありません。
したがって、あくまでも「会社側の努力義務」となっています。
普通解雇とは
「普通解雇」とは、「懲戒解雇」「整理解雇」以外の、一般的な「解雇」となります。
「解雇」とは、「労働者の同意がなく、会社側から一方的に雇用を解消する事」なのですが、そこに「普通」が存在するのが紛らわしい所です。
「普通解雇となるケース」を挙げます。
- 勤務状況、勤務態度の不良:度重なる指導に関わらず改善されない
- 勤務成績の不良:度重なる教育や指導に関わらず改善されない
- 病気や怪我により雇用契約通りに働けない:会社が病気や怪我の原因ではない
- 不正行為・暴力・暴言・会社批判を行っている
「普通解雇」は、「普段の労働者の能力や行動」が理由で、行われるものとなります。
労働者は法律で守られているので、会社側は簡単に「解雇」をする事はできません。
しかし、「普通解雇となるケース」は、「法律で定められた、客観的で合理的な理由」となっています。
したがって、心当たりのある人は、「解雇」されないように、注意をする必要があります。
simacatより一言
「不当ではない解雇」として、「懲戒解雇」「整理解雇」「普通解雇」をざっくりと、解説いたしました。
「懲戒解雇」と「普通解雇」は、次のお勤め先を探すときに影響があります。
隠していても、「離職票」や「前歴照会」でバレてしまいますので、「解雇」は免れるようにしてください。
とはいえ、普通にお仕事をしていれば、「解雇」される事はありませんので、ご安心ください。
もし、「不当な解雇」にあってしまった場合は、「厚生労働省 総合労働相談コーナーのご案内」をご活用頂ければと思います。
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