対人恐怖症とは?!自信がない、人と関わりたくない、人が怖くなってしまった!!
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はじめに
お仕事は、人と関わりを持たないと成立しません。
「売る人と買う人」
「指示する人と従う人」
「話をする人と聞く人」
関わる方法は、対面での会話、電話による会話、メール、チャットアプリなど、色々あります。
しかし、お仕事では「会話力に自信がない」「記憶力に自信がない」「文章能力に自信がない」などの理由で、人との関わりが苦手な人がいます。
得意と不得意は、人それぞれ違うので仕方がないのですが、問題は「自信がない」という思いを過剰に感じてしまう場合です。
「自信がない」から、見ないで欲しい。
「自信がない」から、聞かないで欲しい。
「自信がない」から、話さないで欲しい。
その結果、「恥ずかしい」という思いから、人と関わる事を苦痛に感じ、「対人恐怖症」となります。
「対人恐怖症」になると、お仕事ができなくなったり、普通の生活が送れなくなったりと、「うつ病」や「パニック障害」と似た状態となります。
今の自分、そして自分と関係するまわりの人に、この様な心当たりがある場合、「部署の移動」や「お仕事の作業内容の変更」を訴え、「対人恐怖症」とならないように、備えをする必要があります。
対人恐怖症とは
「対人恐怖症」とは、他人との交流に対して「不安や恐怖」を感じ、「冷や汗、動悸、頭痛、腹痛、吐き気」などの症状があらわれる「心の病気」です。
誰でも、人からの視線や考え方が気になりますし、不安になります。
これは普通の事です。
しかし「対人恐怖症」は、それを過剰に感じる事で、お仕事に行けなくなったり、生活に支障が出てくる状態となります。
そして、ここまで「対人恐怖症」としていましたが、現在では「社交不安症」という病名で呼ばれる事が多いようです。
「対人恐怖症」も「社交不安症」も、同じ「不安症」となりますが、厳密には違いがあります。
- 「対人恐怖症」は、自分が他人に迷惑を掛けていないかが不安
- 「社交不安症」は、自分が恥ずかしい思いをする事への不安
実は「対人恐怖症」は、医学上の正式な病名ではないようです。
しかし、日本の精神医学では古くから「対人恐怖症」と呼ばれていた為、今も同じように病名がつけられる事があるようです。
そして、「対人恐怖症」と「社交不安症」の違いについて挙げましたが、「医師の症状の捉え方」によって病名が決められるようです。
病名が異なっても、「心の病気」となるので、治療が必要となり、治療内容は「うつ病」と同じ様に、「抗うつ薬」や「抗不安薬」の投薬治療となります。
治療の期間が、風邪などに比べると長期となりますので、無理をせずに、ゆっくりと治療をする必要があります。
セルフチェック
自分や周りの人が、「対人恐怖症となっていないか、またはその兆候があるか?」、「セルフチェック」のポイントをご紹介します。
- 他人と接するのが憂鬱、不安
- 誰かに見られているようで憂鬱、不安
- 他人との交流に対して恐怖を感じる
- 自分が不安と感じる気持ちを他人に悟られるのが怖い
- 職場の作業音に不安を感じたり、恐怖を感じる
- 他人との交流により、体の震え・冷や汗・動悸・頭痛・腹痛や下痢などの症状がでる
これらのポイントに当てはまる場合、心療内科を受診してください。
また、これらのポイントは「パニック障害」である可能性もあります。
「対人恐怖症」であっても、「パニック障害」であっても、同じ「心の病気」であることに変わりはありません。
「心の病気」は、重症化すると治るまでに時間がかかります。
早期の治療により、重症化を防ぐ事ができたり、回復までの時間を短くする事ができます。
生活面やお仕事の場面で取り入れたい事
「対人恐怖症」の「重症化を回避する」為に、心療内科の受診は前提となりますが、「生活面やお仕事の場面で取り入れたい事」をご紹介します。
- 規則正しい生活(生活の安定)
- 適度な運動(生活の安定)
- 十分な睡眠(生活の安定)
- 他人と話すイメージトレーニング(コミュニケーション能力)
- 感情を表情であらわす(コミュニケーション能力)
- 会話に身振り手振りを加える(コミュニケーション能力)
- 自分から声をかける(コミュニケーション能力)
- リラックスを意識する(コミュニケーション能力)
基本的には「生活の安定」と「コミュニケーション能力」となります。
ただし、これらを同時に、全てをこなす事は苦痛となり、逆に状態を悪化させてしまう可能性があります。
まずは「生活の安定」を取り入れてください。
次に、「コミュニケーション能力」となりますが、こちらは、できる事から行っていきます。
どうしても人と接するのが難しい場合は、「感情を表情であらわす」事からはじめてください。
最低でも「OKなら笑顔」を意識し、実行できれば十分です。
そして、人と接する事が苦手な人が、もっとも辛いと感じる事は、「断る事」となります。
色々と「断る理由」を考えると、苦手意識が強くなってしまうので、無理に考える必要はありません。
状況にもよりますが、「ごめんなさい」の一言だけ伝え、頭を下げれば、十分に相手に伝わります。
慣れてきたら、「ごめんなさい、出来ません」「ごめんなさい、難しいです」と、少しずつ言葉を加えていきましょう。
simacatより一言
誰でも、「恥ずかしい」と感じる事はあります。
「対人恐怖症」の要素を持っている人は、その「恥ずかしい」と感じるアンテナの感度が、強い状態と考えてください。
そして、お仕事の場面でよく見かけるのが、「慣れさせる為に、大勢の人前で挨拶をさせる」などです。
これで、アンテナの感度が鈍くなってくれれば良いのですが、ほとんどは、アンテナの感度がさらに強くなってしまいます。
そして、特定の人に向けられていたアンテナも、不特定多数に向けられる事となります。
そうすると、人が怖くなり、世の中が怖くなり、「対人恐怖症」となります。
「慣れさせる為に行う」という場合は、個人個人の状態をしっかりと監視をして、決して無理をさせないように、注意をしなくてはいけません。
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