【ざっくり解説】国債とは?!建設国債?!赤字国債?!簡単に分かりやすく言葉足らずでご紹介?!
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はじめに
以前、「プライマリバランス」「日本銀行の資産負債及び純資産の状況」の投稿にて「国債」について触れました。
「国債」は「国の借金」と言われています。
「国の借金」という事は返済するのは「国民」となります。
ならば「日本の国民」である以上、「国債とはどんなものなのか?」「国債にはどんな種類があるのか?」については最低限の知識として知っておく必要があります。
今回は「国債」について触れたいと思います。
なお、あくまでも「ざっくり解説」となります。
現在、国債が抱えている問題については敢えてふれず、純粋に「国債とは?」についてのみのざっくり解説となりますので、予めご了承ください。
国債とは
「国債」とは「国が発行する借用証書」です。
国がお金を借りる代わりに、この「借用証書」が発行され、これが「お金を借りた証明」になります。
このような「お金を借りた証明」を「債券」と言われています。
この「債券」を日本が発行する場合は「日本国債」となります。
ちなみに、「地方公共団体」も同じように「債券」を発行しており、これを「地方債」といいます。
そして、企業も「債券」を発行しており、これを「社債」といいます。
「債券」は「有価証券」と呼ばれ、「有価証券」とは「財産的価値があるもの」となります。
この「有価証券」は「証券市場」にて売買されている為、企業や個人の投資の対象となっています。
「国債」のお話しに戻ります。
「国」は「国債を発行」してお金を募ります。
この時、たとえば「国が1万円分の国債」を発行し、これを企業や個人が購入すると「企業や個人は国に1万円を貸す」「国は企業や個人から1万円を借りる」という状態になります。
ただし、企業や個人は「1万円を貸して1万円を返してもらう」だけでは「得」がない為、このままでは誰も「国債」を買おうとは思いません。
「国が借りた1万円」の事を「元本」と呼びます。
この「元本」に対して「プラスアルファのお金」を付ける事で、企業や個人に「得」が生まれ「国債」を買おうと考えます。
この「プラスアルファのお金」が「利子」と呼ばれています。
「国債」とは「国が発行する借用証書」と前述をしましたが、この借用証書には「満期」があります。
「満期」とは「借金の返済日」です。
この「満期」を迎えた時に、「国債」を購入した企業や個人に対して「元本」と「利子」の支払いがおこなわれます。
「国債」は他の有価証券に比べて「安定性が高い」と言われています。
他の有価証券でお馴染みなのが「株式」となりますが、こちらは「元本」が戻らない場合もあり、これを「元本割れ」と言います。
「国債」は「元本割れ」のリスクが非常に低い「有価証券」となっています。
国債の種類
「国債」とは「国が発行する借用証書」で「有価証券」として市場で売買されているというお話しをしました。
市場で売買される「国債」には「満期の時期と利息」による種類がありますが、「国債自体」には「発行目的による分類」と「利払い方式による分類」が存在しています。
はじめに「日本銀行のホームページ」より引用いたします。
【外部リンク】日本銀行 国債にはどのような種類がありますか? https://www.boj.or. jp/about/education/oshiete/op/f05.htm
・発行目的による分類:歳入債(普通国債)、財政投融資特別会計国債(財投債)、繰延債、融通債
・利払い方式による分類:利付(リツキ)国債、割引国債
とはいえ、これらは「こんな物があるんだ」程度の認識で問題はありません。
ここで「気にするべき国債」は「歳入債(普通国債)」となります。
この「歳入債(普通国債)」には、投稿時点で「建設国債」「特例国債(赤字国債)」「復興債」の3つの種類があります。
こちらについては「財務省のホームページ」を引用いたします。
【外部リンク】赤字国債と建設国債の違いを教えてください https://www.mof.go.jp/faq/budget/01aa.htm
このなかで「建設国債」「特例国債(赤字国債)」が一般的に世間を賑わせている「国債」になります。
「財務省のホームページ」に記載されている通り、「建設国債」は「公共事業費の財源」に利用されます。
そして、「特例国債(赤字国債)」は「建設国債」でも歳入が不足する場合に「公共事業費以外の歳出に充てる資金」とする「国債」になります。
このように「国債」は「利用目的」に応じた種類があり、それぞれ「国会の議決により発行される物」となっています。
ちなみに、同様の「財務省のホームページ」に記載されている「60年償還ルール」にも簡単に触れておきます。
「国債」を発行すると「60年で償還(返済)しなければいけない」というルールです。
なぜ「60年なのか?」についてとなります。
1966年の「建設国債」発行の頃に決められ、その「国債」の利用目的は「道路や橋などの社会インフラ整備」でした。
その「社会インフラの平均耐用年数がおおよそ60年だったから」と言われています。
「60年償還ルール」については見直しの動きもありますが、「国債価値の低下不安」を訴える人が多くいます。
ちなみに投稿時点となりますが、日本、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリアのなかで「国債の償還ルール」がある国は「日本」だけとなっています。
simacatより一言
「国債」についての「ざっくり解説」でした。
「国債」は「未来への借金」という人がいます。
「国債の返済は未来の人が支払う税金で賄われる」為、この考えも間違ってはいないのかも知れません。
しかし、一般企業では「投資をしない会社は成長が止まる」と言われています。
そして、ほとんどの企業は銀行よりお金を借りて「投資」をおこなっています。
これは「国債」と同じ考えかたになります。
よって「国債の発行」についても「投資」と考える事ができます。
「投資」であるならば「国債の発行が悪い」と決めつけるべきではありません。
「国債の発行が悪い」のではなく「利用目的や得られる事柄の価値が明確にされていない事」を指摘するべきというのが個人的な意見となります。
2024/09/12追記
令和6年度現在、国債(公債)の発行は「財政法第4条」にて利用範囲が定められています。
○ 財政法(昭和二十二年法律第三十四号)(抄)
- 第四条 国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。
出典:財務省 国会提出法律案関係 第171回国会における財務省関連法律 参照条文(https://www.mof.go.jp/about_mof/bills/171diet/zk210119j.htm)
今回のブログの内容は、この「財政法」が考慮されていない点に、ご注意ください。
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