エスカレーションとは??報連相とはちょっと違う?!エスカレーションには手順や目的などのルールが必要?!
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はじめに
「エスカレーション」という言葉を耳にした事はないでしょうか?
「エスカレ」という略語で利用されている場合もあります。
一方、「報連相」という言葉があります。
どちらも、「上司や管理者に情報を共有する事」と覚えている人もいるかと思います。
「情報共有」に違いはないのですが、大きな違いは「規模」となります。
「エスカレーションとは?」「報連相との違い」について、触れたいと思います。
エスカレーションとは
「エスカレーション」とは、「上位者へ、判断や指示を委ねる事」です。
英語の「escalation(エスカレーション)」で、意味は「段階的拡大」となります。
「自分では解決できない事」「自分では判断ができない事」など、お仕事では色々な「事柄」が発生します。
また、「発生した事柄」が、「自分以外も知るべき事」の場合もあります。
この時、この「発生した事柄」について、「上位者に対して、判断や指示を委ねる事」を、「エスカレーション」と言います。
この「エスカレーション」により、「問題の責任も合わせて、上位者に委ねられる」事となります。
「上位者」は、「上司」「管理者」「専門部門」「有識者」「顧客」など、様々となります。
どのような「事柄」の時に、どこへ「エスカレーション」するのか?
「エスカレーション」をした結果、どうするのか?
など、「エスカレーション」をおこなう為には、手順や目的が必要となります。
「エスカレーション」をおこなう時は、「エスカレーションのルール」を作り、手順や目的、そして責任の所在を明確にする必要があります。
報連相との違い
「報連相」は、「管理者や管理部門」が、「正しく管理をおこなう事を目的とした情報共有」となります。
「正しく管理をおこなう」為には、「現状の正しい把握」をする必要があり、その為に「情報」が必要となります。
「現状の正しい把握」により、「正しい判断」「正しい指示」をする事が、可能となります。
「報連相」を怠ると、「現状の正しい把握」をする事が難しくなります。
したがって、「現状の正しい把握」をする為に、密に「報連相」をおこなう事が必要となります。
ここで気付かれたと思いますが、「報連相」は、「自分」と「管理者や管理部門」に対する、「二者間での行動」となります。
もちろん、同じお仕事をしている仲間への「周知や情報共有」も「報連相」の一環ではあるのですが、これらは原則として、「管理者や管理部門」がおこなう事となります。
それに対して「エスカレーション」は、「責任を他にうつす」事がある為、「管理者や管理部門が、異なる組織や会社となる」場合があります。
このような点から、「報連相」はあくまでも「自分が所属している組織内での活動」となり、「エスカレーション」は「発生した事柄に対して、対応する活動」となります。
「管理者や管理部門が、異なる組織や会社となる」場合がある為、責任の所在を明らかにした、しっかりとした「ルール」が必要となります。
エスカレーションのルール
「エスカレーションのルール」として決めるべき事を挙げます。
- 対象
- 委ねる先
- 手段
- 責任の所在と状況の把握
「エスカレーションのルール」について、掘り下げます。
対象
これは、「どのような事柄をエスカレーションの対象とするのか?」を決める事です。
実は、これについて悩む場面が一番多く、そして悩む事により、時間をムダに浪費してしまいます。
したがって、「エスカレーションの対象となる事柄」を決めておく事は、「悩む時間」を減らし、時間の浪費を防ぐ事となります。
例えば、「自分で考えても答えが出ない事柄」「自分の担当範囲外の事柄」などがあります。
また、「緊急度」や「重要度」などもあります。
なかには、「全ての事柄」となる場合もあります。
お仕事の内容や体制により、違いはありますが、「エスカレーションをするか?しないか?」で、悩み、他の人に相談をするような事がなくなるのが理想となります。
なお、この「対象」を決めても、「対象とする判断」に、誤りが発生する場合があります。
「対象とする判断」に誤りがあった場合は、担当者を責めるのではなく、「対象とするルールを見直すべき」となります。
もし、「取りこぼし」などが発生したら、「エスカレーションの対象を緩める」事となります。
担当者を責めてしまうと、せっかく「エスカレーションの対象」をルールとして決めても、また判断に時間をかけてしまう事となります。
委ねる先
これは、「エスカレーション先」となります。
「発生した事柄」に対応した、「判断や指示を委ねる先」となります。
これは、「上司」「管理者」「専門部門」「有識者」「顧客」など、さまざまあります。
そして、「発生した事柄」により、「委ねる先が変わる」事が一般的となります。
これも、「対象」と同じように、どこを「委ねる先」とするのか、悩み、時間をかけてしまう場合があります。
「委ねる先」に悩む事が多く、ここに時間を掛けてしまうなら、「エスカレーションの一次窓口」を作り、そこで「切り分け」をするという方法があります。
ここでも、「エスカレーション」をおこなうにあたり、悩み、時間をかけてしまう事がないような工夫が、必要となります。
手段
こちらは、一般的に「電話」「メール」「口頭」などとなります。
これも、「発生した事柄」により、「重要度」や「緊急度」があります。
したがって、悩む事が発生しないように、「基準を作る」必要があります。
この「基準」とは、例えば「当日中の解決が必要な場合は電話」などとなります。
なお、当然ですが、「電話」を手段とする時、「エスカレーションを受ける側」は「電話を常に携帯する」必要があります。
責任の所在と状況の把握
「エスカレーション」には、「目的」があります。
「判断や指示を委ねる事が目的」かも知れませんし、「その後の対応も含めて、おこなってもらう事が目的」かも知れません。
もしくは、単なる「情報共有が目的」かも知れません。
「エスカレーションの目的」により、「発生した事柄について責任を持つ」のは、「エスカレーション元」か「エスカレーション先」となります。
「発生した事柄について責任を持つ」のは、「エスカレーション元」なのか「エスカレーション先」なのかをハッキリとさせる事で、「責任の所在」を決める事ができます。
そして、「責任」がある以上、「発生した事柄がどのようになっているのか?」を知る必要があります。
「エスカレーション」を行った結果、「発生した事柄」が、「エスカレーションの目的へ向けて、どのように動いているのか?」を知る事が、「状況の把握」となります。
「状況の把握」は、「発生した事柄」の対応が完了するまで、続く事となります。
なお、「エスカレーション先」に「責任」がある場合でも、「エスカレーション元」で「状況の把握」をする事で、「エスカレーションの目的へ向けて、停滞していないか?」のチェックをおこなう事ができます。
以上、「エスカレーションのルール」についてでしたが、これらを文字だけで表現すると、非常に分かりづらくなります。
「流れ図」を利用した「エスカレーションフロー」などを利用して、「分かりやすくなる工夫」をする事が、一般的となっています。
simacatより一言
「エスカレーション」は、職種によって、「行動や意味」が異なります。
ある職種では、「上司に報告しておきます」程度の意味とされる場合もあります。
職場に「エスカレーションの機能」がある時は、「ルール」をご確認ください。
この「ルール」がない時は、「報連相」と同じ意味合いで「エスカレーション」という言葉が使われているかも知れません。
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