隠蔽の意味とは?お仕事では許される隠蔽と許されない隠蔽が存在する!!
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はじめに
お仕事では、「隠蔽をするからには、バレてはいけません」という風潮があります。
「お仕事でミスを犯した時」や「取引先にその事実を隠しておきたい時」などに取る行動となっています。
あまり、良いおこないとは言えません。
しかし、全てが「悪い」という訳でもありません。
時には「隠蔽」をしておいた方が良い事もあります。
「隠蔽」とは何かを知り、使い分ける事が重要となるのです。
隠蔽とは
「隠蔽(いんぺい)」とは「都合の悪い事を隠す」という意味です。
似た言葉で「隠匿(いんとく)」という言葉があり、こちらは「隠してはいけない物を隠す」と意味となっています。
「都合の悪い事を隠す」事が「隠蔽」なのですが、
「誰が都合が悪いのか?」
「誰に対して都合が悪いのか?」
「都合が悪くない事を隠す場合は隠蔽とならないのか?」
という疑問が浮かびます。
「隠蔽」という言葉自体は、「都合の悪い事を隠す」という「悪い行為」の意味合いとなっていますが、掘り下げて考えると、少々曖昧な言葉となっています。
許される隠蔽
取引先の不安を回避させる隠蔽
取引先から商品の注文を受け、その商品の作成が予想以上に手間の掛かる事だったとします。
本来の納期を2回ほど伸ばして、何とか納期に間に合わせました。
しかし、実は納品日の前日の深夜まで頑張り、完璧な商品となりました。
そして、その商品を取引先に届け、2回の納期延長を丁寧に詫びました。
この時、「実は前日の深夜まで、頑張っていた」事を取引先に知らせる必要はあるのでしょうか?
2回の納期延長と、前日の深夜まで頑張っていた事を取引先に知らせた場合、取引先は商品の品質面で不安を抱くでしょう。
取引先に不安を抱かせる事は、自社にとって「都合の悪い事」です。
この事実を取引先に知らせないという事は、「隠蔽」となります。
しかし、納品した商品に問題なく、完璧な商品なのです。
わざわざ、取引先を不安にさせる様な事を伝える必要はありません。
従って、これは「許される隠蔽」となるのです。
取引先が損をしない隠蔽
取引先の注文通りの商品を納める事は、当たり前の事です。
注文通りとは、価格や機能が「取引先の希望通り」という事です。
しかし、取引先の希望通りの商品はなく、価格は上がりますが、機能が向上した物なら納める事ができます。
「自社で議論」をした結果、取引先の希望通りの価格で、機能が向上している商品を納める事と致しました。
そして、取引先は「機能が向上した商品」である事を知らずに納品されました。
取引先は「機能が向上した商品」であるならば、もっと他の用途での使用も可能ですが、その事実を知りません。
商品の機能を取引先に知らせないという事は、「隠蔽」となります。
しかし、取引先の希望通りの価格で機能は向上しています。
従って、これは「許される隠蔽」となります。
ただし、この例では注意点が2箇所あります。
- 商品の価格について自社で議論がされている事
- 価格が高い商品を安くする事は取引先へのアピールに繋がる事
商品の価格について自社で議論がされていない場合、自社が損をする事で「隠蔽」となり、典型的な「隠蔽」の悪い部分となります。
価格が高い商品を安くする事は、取引先へのアピールに繋がります。
本来は敢えて、「価格を抑えている」事を取引先に伝え、満足感を得て頂くべきです。
許されない隠蔽
損害を与える隠蔽
多くの方が「隠蔽」と聞くと、このイメージとなるでしょう。
自社にとって「都合の悪い事」は、取引先や個人に対しても損害を与える可能性があります。
それが、「自社の中」や「自分の中」で起こっている事なら良いのですが、取引先やお客様など、外へ出てしまった場合、止める事ができなくなってしまいます。
「一人歩き」をはじめた「隠蔽された事」は、企業や個人に金銭面で損をさせたり、健康面で被害を与える事となったとします。
その被害の原因が、「隠蔽されていた事」だった時、自社のイメージに深刻なダメージを与える事となります。
一般的にニュースで報道されるのは、こうした事例となっていて、「隠蔽」ばかりが続くと「隠蔽体質」と見做され、その企業や組織を信じる事ができなくなります。
しかし、通常の企業では「隠蔽」がどれだけイメージダウンに繋がるのか周知されています。
「隠蔽」を行うとしたら、よっぽどの大企業か老舗と呼ばれる世間知らずの商店、もしくは議員や各省庁、特殊法人などぐらいでしょう。
計画的な隠蔽
あきらかに、「隠蔽」をする事を前提とした取引です。
例えば、はじめから無理な事を引き受け、「手を抜く」事を前提としている場合です。
取引先の希望は、書面で準備をして注文をして頂きました。
そして、その書面に記されていない事は、「自社で検討し、対応します」と口約束だけしました。
しかし、実際に対応するのは書面に書いてある事のみで、書面に記されていない事の検討と対応は行わずに、納品を行いました。
納品された商品については、取引先が希望した部分については問題ないのですが、口約束の部分については、何も対応がされていない事が分かりました。
取引先は仕方がないので、必要な部分については書面を準備し、再度注文をする事となりました。
「詐欺」ではないのか?と思われるかも知れませんが、しっかりと書面に書いてある事は対応しているので、「詐欺」ではありません。
口約束の部分を対応すると、時間やお金が掛かってしまう為、自社には都合が悪い事となります。
従って、はじめから対応をするつもりがなかった事を「隠蔽」していた事となります。
やり方は、かなり悪質です。
しかし、この様な取引を繰り返していると、信頼は崩れ、どの企業からも相手にされなくなり、じきに倒産となるでしょう。
simacatより一言
「隠蔽」は個人レベルで始まります。
「自分に都合の悪い事を隠す」事を続けていると、「隠蔽体質」となります。
そのまま、出世をしていくと、その体質により会社が蝕まれていくと考えて下さい。
そして、その様な仲間ばかりに囲まれていても、「隠蔽体質」となってしまうので注意が必要です。
常に「隠蔽」が必要なお仕事が存在するのかは分かりませんが、すべての「隠蔽」が悪いという訳ではありません。
ただし、「都合が悪い事」を隠し続ける事は非常に疲れます。
もし「隠蔽」に疲れている方は、良い事も悪い事も、全てオープンにする事をお勧めします。
心が解放され、楽になる事ができます。
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