システム開発やプログラム開発を委託する?!オフショアとは?!オンショアとは?!ニアショアとは?!
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はじめに
「システム開発やプログラム開発」などの「開発作業」では、「オフショア開発」「ニアショア開発」という言葉を耳にします。
これは「開発作業を外部へ委託する際に、どのロケーションとするのか?」という意味でもあります。
どちらもメリットとデメリットがあり、一概に「こちらが良い」とは言えないのですが、これらの言葉を耳にした時の備えとして、「意味」と「メリットデメリット」について触れたいと思います。
オフショアとオンショア
「オフショア」「オンショア」は、場所をあらわす言葉と考えてください。
「オフショア」「オンショア」、それぞれに「ショア」という言葉が使われていますが、これは英語の「Shore」で、「海岸」という意味となります。
「オフショア」は、英語では「Offshore」で、「Off」と「Shore」が組み合わされ、「沖」「沖に向かって」という意味となるのですが、もう一つ「海外」という意味があります。
そして、「オフショア」と対義語となるのが「オンショア」となり、英語では「Onshore」で、「On」と「Shore」が組み合わされ、「陸上」「陸に向かって」「海風」などという意味となります。
「オンショア」は「オフショア」の対義語で利用される為、「オフショアは海外」に対して「オンショアは国内」という意味でも使用されます。
したがって、ビジネスでこの言葉を使用する際は、「オフショアは海外」「オンショアは国内」という意味となります。
開発作業での「オフショア」と「オンショア」のメリットとデメリットとなりますが、「オフショアのメリット」は、「安価」が挙げられます。
これは、「開発作業を委託する会社の国の物価や人件費が安いから」となります。
したがって、先進国のような「物価や人件費が高い地域」で「オフショア開発」をおこなっても、あまり意味がありません。
途上国など、「物価や人件費が低い地域」でおこなう事で、メリットが出てきます。
そして、「オフショアのデメリット」となりますが、言葉の壁がある為、細かな仕様が伝わりにくく、これが「品質の問題」となります。
また、「常識や習慣の違い」もある為、「納期遅延の危険」もあります。
この「オフショアのデメリット」を十分に理解していないと、リスクが高くなります。
したがって、「オフショアをおこなう現地に拠点のある国内の会社」に委託をして、極力、リスク回避をおこなうのが、一般的となっています。
この「オフショアの現地に拠点がある国内の会社」を通せば、言葉の壁も低くなる為、「品質の問題のデメリット」も、カバーをする事ができます。
「オンショアのメリット」は、「高品質」「納期遵守」が挙げられます。
これは、「国内では常識」なので、メリットとして挙げて良いのか迷うところなのですが、あくまでも「オフショアとの比較」として、ご理解頂ければと思います。
「オンショア」は、「国内の企業への開発作業の委託」となります。
したがって、無理な委託内容でなければ、「オフショア」と比べて、「常識や習慣の違い」に悩まされる事もなく、「品質に対する不安」も少なくて済みます。
しかし、「オンショア」のデメリットは「高価」である事で、これが最大の問題点でもあります。
そもそも、このデメリットがなければ、「オフショア」という発想は生まれません。
それを少しでも解決できるのが、「ニアショア」となります。
ニアショアとは
「オフショアのメリット」を生かし、「オンショアのデメリット」を抑えた物が、「ニアショア」となります。
「ニアショア」とは、英語では「Nearshore」で、「Near」と「Shore」が組み合わされ、「沿岸」などと言う意味になります。
開発作業での「ニアショア」は、「海外ほど遠くはない」というニュアンスとなります。
つまり「国内」となり、例えば、「東京」の会社が「地方の会社に対して、開発作業の委託をする」という事となります。
「国内」であれば、「言葉や常識や習慣」に、それほどの違いがない為、「オフショアのデメリット」である、「品質の問題」の発生を抑える事ができます。
なお、「オンショアのデメリット」である、「高価」については、「東京と比べれば安価」程度となるので、「オフショア」にするほどのインパクトはありません。
しかし「ニアショア」ならば、「国内のフリーランスの技術者」を利用する事もできます。
契約面では少々不安がありますが、「国内のフリーランスの技術者」の利用を想定すると、「ニアショア」であっても、費用を抑える事が可能となります。
simacatより一言
開発作業では、「オフショア」「オンショア」「ニアショア」を利用する事で、「費用」と「品質」のバランスを考慮して、開発作業の委託がおこなわれています。
ちなみに、大きな企業では、開発部門の機能をそのまま「物価や人件費の低い地域」に移転させるケースがあります。
現地の人の雇用促進につながるので、良い施策だと思います。
そして、このお話しでつきものなのが、「残された日本の技術者は?」となります。
「日本には技術者が不足している」と言われています。
海外にお仕事が流れているにも関わらずです。
不思議な状況と感じる方もいらっしゃると思います。
これは、何が不足しているのかというと、「施策や業務を理解して実際に開発作業をおこなう存在に伝える人材」となり、「開発に向けた動きができる技術者」となります。
日本には、まだまだたくさんの企業があり、「システム開発の案件」も非常に多くあります。
しかし、これらの案件について「開発に向けた動きができる技術者」が不足している状態となっています。
「日本の商習慣」をはじめ、「日本人の考え方や癖」は、日本人にしか分かりません。
したがって、「残された日本の技術者」は、「開発に向けた動きができる技術者」となる事を目指して頂ければと思います。
「日本の商習慣」や「日本人の考え方や癖」も含めて、開発作業の委託ができる存在になって頂ければと思います。
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