【ざっくり解説】プライマリバランスってなに?!何が分かるの?!国債がポイント?!分かりやすく解説?!
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はじめに
「プライマリバランス」というものをご存知でしょうか?
「財政健全化」などでも話題になっているものです。
この「財政健全化」のために、「増税」なども噂されています。
「増税」をする事により、「財政健全化」となり、その根拠を知る事ができる情報が「プライマリバランス」となります。
今回は「プライマリバランスとは何か?」について「ざっくり解説」を致します。
「プライマリバランス」という物を知り、「増税が必要なのか?」についても、お考え頂きたいと思います。
プライマリバランスとは
「プライマリバランス」とは、「基礎的財政収支」となります。
「基礎的財政収支」と言われても、難しい言葉の羅列でよく分からないと思います。
このような時は、言葉を分解してみましょう。
「財政」とは、政府が「歳入」や「歳出」をおこなう経済活動となります。
「歳入」とは、おもに「所得税や消費税などの税金や税金以外の収入(以降、税収等)」と「国債発行などの新たな借金」となります。
「歳出」とは、おもに「国や地方自治体などの社会保障や公共事業などの公共サービス(以降、公共サービス)」や「国債の元本返済や利払い」などとなります。
そして、「基礎的財政収支」は「新たな借金(国債)」「借金の返済(国債の償還)」「国債の利払い」「税収等」「公共サービス」の関係をあらわしていて、「税収等のみで、公共サービスを賄えているのか?」と「国の借金の状態」が同時に分かる物となります。
イメージとして、財務省のホームページで公開している「参考資料・プライマリーバランスとは何か」をご覧ください。
【外部リンク】財務省 参考資料・プライマリーバランスとは何か
参考資料・プライマリーバランスとは何か https://www.mof.go.jp/zaisei/reference/reference-03.html より引用
この「参考資料・プライマリーバランス」について、補足をします。
「税収等」と「公共サービス」が同じ状態の時は、プライマリバランスが均等している状態となります。
しかし、この場合は「国債の利払い」がおこなわれない為、「国債による借入れを増やして補う」事となります。
「税収等」が大きい場合は、「国債の利払い」は補える為、その分だけ「国債による借入れを増やす必要はない」という事となります。
逆に、「公共サービス」が多い場合は、「国債の利払い」も含めて「国債の借入れを増やして補う」事となります。
このように「プライマリバランス」では、「税収」と「公共サービス」の関係を大きさで知る事ができる物となります。
以上、「プライマリバランス」についての「ざっくり解説」でした。
今後、政府や財務省などから発表された時は、今回の解説を参考にして頂ければと思います。
増税をする為の理屈では?
「プライマリバランス」は「増税をする為の理屈」となっている感じがします。
確かに、「日本の財政」は厳しい状態です。
「財務省」より、「財務省 財政に関する資料がホームページに挙げられています。
【外部リンク】財務省 財政に関する資料 令和4年度一般会計歳出・歳入の構成
財務省 財政に関する資料 令和4年度一般会計歳出・歳入 https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/a02.htm より引用
この資料の「令和4年度一般会計歳出・歳入の構成」によると、一般会計の予算は「約108兆円」で、「一般会計歳入」の「公債金」が「約37兆円」となっており、これが「新しく国の借金」となる金額となります。
ちなみに、「一般会計歳出」に「国債費」があり、この内訳として「債務償還費」と「利払費等」があります。
「債務償還費」とは、「借金の返済」で、これが「約16兆円」となっています。
「利払費等」とは、「国債の利息の支払い」で、これが「約8兆円」となっています。
したがって、「国の借金が増えている状態」ではありますし、「国債の償還や利払いが必要」であるのも事実となっています。
そして、その状態をわざわざ見やすくした物が「プライマリバランス」となり、「新たな借金(国債)」「借金の返済(国債の償還)」「国債の利払い」「税収等」「公共サービス」の関係だけを表して、「すでに足りていない事のアピール」をして、だから「増税が必要」という流れとなっています。
それでは、今までの国の借金と呼ばれている「国債の残高」についてとなります。
こちらも、同資料の「普通国債残高の累増」によると、「約1,000兆円」となっています。
財務省 財政に関する資料 令和4年度一般会計歳出・歳入 https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/a02.htm より引用
この「約1,000兆円」が「国の借金」となり、この借金の返済(債務償還費)と利息の支払い(利払費等)が、毎年発生するという事となります。
それでは、この「国の借金」は「誰から借りているの?」「誰に返さないといけないの?」というお話しとなります。
こちらも「財務省」のホームページの「国債等関係諸資料」に「国債等の保有者別内訳 (令和4年3月末(速報))」という資料があります。
【外部リンク】「財務省」のホームページの「国債等関係諸資料」に「国債等の保有者別内訳(令和4年3月末(速報))」
「財務省」のホームページの「国債等関係諸資料」に「国債等の保有者別内訳(令和4年3月末(速報))」 https://www.mof.go.jp/jgbs/reference/appendix/breakdown.pdf より引用
この資料を見ると、約半分が「日銀の保有」となっています。
したがって、「国債償還費の約16兆円のうち8兆円」、「利払費等の約8兆円のうち4兆円」の「合計12兆円」は誰が誰に払っているのか分からない状態となっています。
「国債の償還」や「国債の利払い」は必要です。
しかし、「本当にいま償還する必要があるのか?」「本当に利息の支払いが必要なのか?」を無視して、「プライマリバランスだけを増税の判断基準としている点」には、疑問を感じざるを得ません。
simacatより一言
「財政健全化」は非常に重要な事だと思います。
そして、「増税」も本当に必要なら、おこなうべきだとも思います。
しかし、時を考えないと経済は混乱するばかりとなります。
経済が混乱をするという事は、「税収減」につながります。
経済が混乱する中で、「税収増」を考えるなら、「増税は一番おこなってはいけない事」だと思います。
本当に「税収増」を考えるなら、雇用を増やす事です。
雇用が増える事で、全体の収入が増える事となります。
これが「経済が安定している状態」です。
「増税」をするならば、この「経済が安定している状態」でおこなうべきだと考えます。
そして、「増税」だけが「財政健全化の答え」ではありません。
「財政健全化しようか、なら増税が必要だよね」ではなく、「どうしたら歳出を抑えられるのか?」を先に考えるべきです。
そんなに財政が厳しいならば、「2院制の見直し」「議員数削減」「議員報酬削減」「公務員数削減」「公務員給与削減」などを先に検討をするべきだと思います。
それを検討する事もせずに、ただ「国の借金が大変だから増税」と言われても、国民は納得できるはずがありません。
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