是正とは?!改善とは?!同じような意味なので混乱をします?!使い分けのポイントをご紹介?!
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はじめに
「是正」という言葉を耳にする時があります。
なんとなく、「正しくする」というイメージが浮かびます。
そして「改善」という言葉を耳にする時があります。
こちらは、「良くする」というイメージが浮かびます。
「正しくする事」と「良くする事」は同じ意味のように感じます。
今回は「是正」と「改善」について触れたいと思います。
どちらも、基本的には「良くする為の行動」となるのですが、意味を理解して使い分けができるようにしておきましょう。
是正と改善
「是正と改善」は、どちらも「良くする事」となります。
「是正(ゼセイ)」の意味となります。
「是(ゼ)」は、「正しい事」「正しい事が認められている事」という意味になります。
「正(セイ)」も「正しい事」という意味ではあるのですが、この場合は「正す(直す)」という意味になります。
したがって「是正」とは、「正しい事」「正しい事が認められている事」に「ただす」となり、「悪い点、不都合な点を正しくする」という意味になります。
そして「改善(カイゼン)」の意味となります。
「改(カイ)」は、「あらためる」「新しくする」などの意味となります。
「善(ゼン)」は、「良い事」「好ましい状態」などの意味となります。
したがって、「改善」とは、「好ましい状態」に「あらためる」となり、「より良い状態にする為の検討や行動」という意味になります。
「是正」と「改善」の意味を踏まえると、どちらも「良くする事」なのですが、「是正」とは「悪い点や不都合な部分が存在する事」となり、「改善」には「悪い点や不都合な部分が存在しない事」となります。
「是正」と「改善」を使い分ける時、はじめにこの部分を意識する必要があります。
とはいえ、「悪い点や不都合な部分を正す事」も「改善」と呼ばれる時があります。
これは「悪い点や不都合な部分」を探して、見つける事も「改善」に含まれる為となります。
ちなみに、この見つけられた「悪い点や不都合な部分」は、業務上、特に悪さをしているわけではありません。
しかし、「時間や人やお金が非効率に利用されている部分」となるので、経営上では問題となります。
よって、この「時間や人やお金が非効率に利用されている部分」をあえて見つけて、「より良い状態にする事」が「改善」となります。
是正勧告と業務改善命令が混乱を招く
「是正勧告」と「業務改善命令」という言葉があります。
「是正勧告」という言葉をネットで調べると、「労働基準監督署」の調査の結果、企業の労働状況に法令違反が発見された時、それを「正すようにする勧告」が多く見られます。
「勧告」は、あくまでも「指導」となる為、「法的な強制力はない」とされています。
また、「是正義務」もありません。
とはいえ、「法令違反の指摘」となります。
何度も「是正勧告」を受けていると、司法処分を受ける可能性があります。
そして「業務改善命令」という言葉があります。
「業務改善命令」とは、「法律に基づき講じられる行政処分」となります。
「行政処分」とは、簡単な言葉にすると「行政機関による一方的な命令」となります。
この為、「業務改善命令」があった時は、必ず従う必要があり、従わない場合は、重い罰則を受ける事となります。
とはいえ、「業務改善命令」が出された時点で企業名が明らかにされる為、社会的な信用は著しく低下する事となります。
なお、企業内でも「業務改善命令」という言葉が存在します。
この場合は、例えば「素行の悪い従業員」に対する物で、最悪「懲戒解雇」となる場合もあります。
ここまでが「是正勧告」と「業務改善命令」についてでしたが、少し違和感を感じていると思います。
それは、「是正」とは「悪い点や不都合な部分が存在する事」となり、「改善」には「悪い点や不都合な部分が存在しない事」と前述した点です。
「是正勧告」は、「悪い点や不都合な部分が存在する事」に対して、あくまでも「是正の指導」となっています。
「業務改善命令」は、「悪い点や不都合な部分が存在する事」に対して、「強制的に改善を指示する命令」となっています。
これが「是正」と「改善」の使い分けの難しい部分となり、また混乱を招く要因にもなっています。
例えば、「業務改善命令」については「是正命令」、「是正勧告」については「改善勧告」としても、同じような意味として、扱う事ができてしまう為となっています。
これは、そのように名付けられてしまった為、「そういう名前の物」として、覚えるしかありません。
本来の意味が同じような言葉の場合、このような「混乱」を招くが恐れがあります。
このような言葉の場合は、「言葉」と「名前」を別に考える事で、「混乱」を防いで頂きたいと思います。
simacatより一言
「問題を是正します」と「問題を改善します」のどちらの文章が自分に馴染むでしょうか?
「是正」だと「問題を解決するだけ」となります。
「改善」だと「問題の解決をして、それにプラスして良くなる事をする」必要があります。
「どちらが良いのか?」については、おきている「問題」による所となります。
これは、「余計な事」をしてしまう可能性がある為となります。
この「余計な事」を防ぐ為にも、「是正」と「改善」の使い分けを意識して頂ければと思います。
とはいえ、「やる事の内容」がハッキリしている場合は、「是正」でも「改善」でも、そこまで神経質になる必要はありません。
言葉と行動について、お仕事をおこなう現場で、しっかりと統一をしておけば、どちらを利用しても良いという事となります。
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